彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇116 〝空きビル〟のチカラ 東京・蔵前に若者の風 築66年の物語をつなぐ
空きビルの再生がどれほど地域の活性化につながるかーーを東京都台東区・蔵前で見せてくれたのが、今年の日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)で奨励賞を受賞した(株)ビルmoによる築66年ビルの再生プロジェクトだ(本紙2月6日号4面参照)…

空きビルの再生がどれほど地域の活性化につながるかーーを東京都台東区・蔵前で見せてくれたのが、今年の日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)で奨励賞を受賞した(株)ビルmoによる築66年ビルの再生プロジェクトだ(本紙2月6日号4面参照)…
今、地元に根を張る中小不動産会社の関心は「空き家」に注がれている。リアルパートナーの今年1月号で国土交通省不動産業課長の川合紀子氏と対談した全宅連会長の坂本久氏はこう語っている。 「14年に策定したハトマークグループビジョンでは今後我々が目…
今や住宅は自ら建てるものではなくディベロッパーやハウスメーカーが分譲するマンションや戸建てが主流になろうとしている。 23年の新設住宅着工戸数(約82万戸)のうち分譲が約24万6千戸、持ち家が約22万4千戸とそれほどの差ではないが、前年比を…
中古という言葉を使う意味がどこにあるのだろうか。現在年間約80万戸の新築住宅が供給されているが、それは全ストック約6000万戸(空き家を含む)のわずか1.3%に過ぎない。 その新築住宅をいかにも住宅市場での主役のように祭り上げ、それとの対比…
それぞれの想いを抱いた新しい年がスタートし早くも一カ月が過ぎた。不動産女性塾(北澤艶子塾長)は1月23日、新年会を兼ねた新春セミナー(第37回)を東京・明治記念館で開き今回も結束力は強く80名以上の参加者を集めた。 第一部のセミナーには昨年…
日本では住宅が社会の共有資産ではなく、個人の私的財産となっている。当然なのだが、これが流通活性化にとって大きな心理的障害となっている。売る側も買う側も損得勘定が先に走ってしまうからである。 江戸時代の武家は、住まいはその役職や石高に応じて藩…
空き家問題の深刻化は数量的には我が国が〝住宅過剰時代〟を迎えていることを示している。しかし「質的にはまだまだだから新築供給は必要」という供給者の意見は正しい。問題は満たされていない〝質〟とは何かである。 ◇ ◇ 既存住宅の耐震化率は18年調…
失われた〝縁側のある暮らし〟がよみがえる。BESSの家は従来から外との一体感をテーマに広いデッキを採用してきた。「間貫けのハコ」ではデッキを縁側にかえた。 デッキはチェア(椅子)文化だが縁側は床座である。近所の人が来たら座布団を出して迎える…
最近は将来に不安を抱く若者が増えていると前回書いた。結婚、住宅取得、収入、退職後の年金受給まで経済的不安はつきない。しかし一方で、そんな不安など若いエネルギーをもってすればいくらでも対処できるのではないかという見方もできる。 ◇ ◇ 意識す…
日本の未来に不安を抱く若者が増えている。その不安の根源に迫らずして、これからの住宅・不動産業の方向性を見出すことは難しい。その意味で第36回不動産女性塾で講演した野田聖子衆院議員の話が大きな示唆となった。 「今の日本は未だに多くの制度が〝昭…
志をもつ人たちの〝想い〟を聞いてきた。個人の孤立化、各層の分断化が進む現代社会で、個々人が抱く想いは果たして他者に伝わるのか。人と人とが理解し合うことはいつの世も難しいが、そこで諦めてしまえば前には進めない。突破口はどこにあるのか。諦めず、…
人それぞれが抱く想いが、人との出逢いによって重なり合い、いずれ花開くときが来る――そんな予感を抱かせるシンポジウムが11月14日、都内で開かれた(3面参照)。 ◇ ◇ 主催したのは一般財団法人ひと・住文化研究所。代表の鈴木静雄氏(リブラン創…
FRP創設の狙い ――一般社団法人不動産流通プロフェッショナル協会(FRP)が発足したのは21年春でした。不動産流通推進センターが認定している公認不動産コンサルティングマスターと宅建マイスターの資格保持者を会員とし、推進センターに両資格制度…
「子供の頃の夢は看護師になること。明治生まれの祖父から伝記を読むことを勧められていた私が選んだのは〝看護師の母〟と呼ばれたフローレンス・ナイチンゲールでした。200年前の人で建築家でもあった彼女が、傷ついた兵士を助けるために最初にしたことは…
定期借地権の課題と展望と題したシンポジウムが10月11日、都内で開かれた。協賛団体・企業は20にも及んだ。 第一部は本郷尚税理士と江口正夫弁護士による対話型トークセッションで、(1)定借における宅建業者の手数料問題、(2)公共セクターで進む…
BESSが新たなブランド展開をする。それは「こころのオアシス」。現代社会は、情報の肥大化で人々の心が砂漠化している。だから心を解放し潤いをもたらす「ゆるみ」や「隙(すき)」が求められている。大人も子供もスマホが手放せないのは情報量の多さとス…
建てては壊すビジネスを繰り返し、新規顧客ばかりを追い求めた結果……我が業界は時代とお客様に取り残されました。〝我々は、選ばれるサービスを提供しなければならない〟〝我々は選ばれる企業にならなければならない〟。だから私共は業界初の「完全エージェ…
業界では多くのセミナーやシンポジウムが開かれているが、近年はパワーポイントを使って資料やデータを説明するだけのものが多く、どこか物足りない。講演者の人間的側面が伝わってこないからだろう。演壇という舞台に立つ以上、講演者は自分の話を聞きに来て…
筆者にとって住まいシリーズ4冊目の著書となる『住文化創造~日本再生へのガイドライン』(プラチナ出版)が刊行された。昨年11月に発足した一般財団法人ひと・住文化研究所からの依頼で、現代における住文化の必要性を説いたものである。 住文化とはなに…
東京の都心には数十億円するようなマンションもあれば、同じ都内でも、クーラーの電気代を惜しんだ高齢者が熱中症で死亡するような劣悪な環境の住宅も残っている。全く次元の違う話だが〝住まい〟の話であることもたしかである。 総務省消防庁の調査によると…