東京共同住宅協会 谷崎憲一会長に聞く 管理会社を経営のパートナーに
住宅新報 2026年8月4日 号 6面
賃貸住宅の可能性広げる
賃貸住宅は、単に住まいを提供するためのストックではない。高齢者や外国人、子育て世帯など、多様な人々の暮らしを支える社会インフラとして、その役割は今後更に重要になる――。谷崎会長は、「持ち家に比べ、賃貸住宅は役割を拡張できる」と話す。
「社会インフラ」として
ライフステージに応じて住み替えやすく、住宅確保要配慮者の受け皿にもなれる。災害時には応急住宅として地域を支えることもできる。こうした柔軟性こそが、賃貸住宅を社会インフラと位置付ける理由だという。
その可能性を現実のものにするには、管理会社やオーナーの役割も変わる必要がある。
管理会社には、防災や居住支援、地域との連携など、これまで以上に幅広い役割が期待される。谷崎会長は、これまでの災害対応を振り返り、「いざという時、管理会社は使命感を持って動く力を備えている」と評価する。一方で、その力を十分に発揮するには、人材育成や待遇改善、制度面の後押しなど、環境整備が不可欠だと指摘する。
賃貸住宅管理業法の全面施行から5年。法改正への対応や入居審査、カスタマーハラスメントへの対応など、管理業務は高度化・複雑化している。その一方で、専門性や社会的評価は十分とは言えず、人材確保も大きな課題となっている。
一方、オーナー側にも意識改革を求める。管理会社を単なる委託先ではなく、賃貸経営をともに考えるパートナーとして尊重すること。更に、賃貸住宅を社会インフラとして活用する視点を持つことが、これからの賃貸経営には欠かせないという。
実効性のある仕組みへ
行政にも役割がある。住宅確保要配慮者の受け入れや災害対応では、民間オーナーが孤独死や家賃滞納などのリスクを負う場面も少なくない。谷崎会長は「制度整備は進んできた」と評価しつつも、民間が安心して取り組めるよう、より実効性のある助成や仕組みづくりを求める。
「最初の環境整備は行政が担い、その後の持続的な運営は民間が担う」。そんな役割分担が実現すれば、賃貸住宅は社会課題の解決にも、地域づくりにも、より大きく貢献できるとみる。
管理会社がプロパティマネジメントを担う専門職として社会的評価を高め、オーナーも「大家」の発想から一歩踏み出して、賃貸経営者としての意識を持つ。その双方のボトムアップが進めば、賃貸住宅が持つ可能性は更に広がり、その成果は地域や社会への還元にもつながっていく。谷崎会長は、そんな未来像を描いている。
























