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プレミアム会員限定第98回「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ つまらない金太郎飴的まちづくり

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第98回「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ つまらない金太郎飴的まちづくり

 ここ最近X(旧Twitter)で東京や地方の主要都市のまちづくりに関する不満や意見が噴出しているのを見かけた。その内のひとつはプレジデントオンラインの記事「誰が渋谷を「つまらない街」にしたのか……「若者の街」を「チェーン店と外国人ばかり」にした決定的な出来事」を共有して意見しているものである。

 記事の内容は、ここ数年で渋谷にできた巨大な複合商業施設には資本力のあるチェーン店ばかりが入り金太郎飴の様相を呈していることや、かつての渋谷について路地裏に見られるような猥雑(わいざつ)さがなくなってきていること、若者が集まっていた渋谷名物のハロウィンが禁止されたことなどで渋谷のアイデンティティが失われつつあるのではということが綴られている。筆者も事務所が渋谷にあるため、ここ二十年以上にかけて渋谷の変化は見てきておりこの記事には共感する部分も多かった。Xでは渋谷だけではないとして他の都市をあげてポストするものもあった。

 以前このコラムで筆者がかつて長く住んでいた街に久しぶりに訪れた際、大きなビルやマンションばかりの様相を見てディベロッパーに「街を壊された」と感じたことを書いた。もとより経済性が重要なことはわかる。それがないと再開発は成り立たない。ただその街の歴史や文化を無視して古いものを壊し、容積率を最大限使ってどこにでもあるようなビルやマンションを建ててそれが永続的に愛される施設や街になるかは疑問である。

 再開発でできたビルの家賃は高額であり先の記事にもあるようにテナントとしては資本力のあるチェーン店などしか入れない。これが結局どこに行っても同じようなビルの同じような店があるという状況ではないだろうか。これから多数の古い建物が建て替わることが全国で起こるが、これでよいのだろうか。まさにその街の個性が失われてつまらない街になりはしないか。

 面白い街には個人店が多数ある。個人が安い賃料で商売を始められる素地があり、無理な再開発がない。その土地や建物のオーナーのまちづくりに対する意識も高い。

 筆者は昨年、ある勉強会に事務局として携わった。それが「メインストリート・プログラム」勉強会である。

 メインストリート・プログラムとは、米国の中心市街地活性化プログラムのことで、郊外の発展に伴って廃れていった中心市街地を「組織的」かつ「戦略的」に再生させるもので、米国ではすでに多くの成功事例を出している。これが米国と同様の道をたどっている我が国でも生かせないかということで開催した勉強会であった。文化の違いはあれど我が国でも応用できるものが多数ある。次回は同プログラムについての内容としたい。

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【プロフィール】

 おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント兼不動産系研究者。不動産実務検定講師。リーシングジャパン代表取締役。執筆・講演多数。

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