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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言 848 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 気が遠くなる建て替え話 立退料めぐり見通し立たず

住宅新報 2026年4月21日 号 6面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

管理(賃貸・分譲)
紙上ブログ 不動産屋の独り言 848 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 気が遠くなる建て替え話 立退料めぐり見通し立たず

 うちの店の家主が建物の老朽化に伴い建て替えを計画しているが、話が頓挫して見通しが立たない。土地は借地。4年前、話が持ち上がった時は地主(当主)が健在で、「承諾料で認めるようだな」と言ったり「半分やるから半分返せ」と言ったり、その時の気分で言っていることがコロコロ変わった。私が行っても、「話すことはない、帰れ」と言う。一方、手土産に持参した好物の日本酒を見ると、「それは何だ?」と言い、私が「ごあいさつに持参した日本酒です」と答えると「それは置いていけ」と言う。とにかく偏屈だった。地元でも有名な大地主だが跡取りがいない。そこに養子に入ったのが、当社の管理物件の家主の弟。人柄が良く、兄を通して先方の様子を伝えてもらえるのはありがたかった。

法外な要求

 一昨年、当主が亡くなり、代替わりした時から話が進み始めたが、別の問題が起きた。立退料である。当社を含めて3社が同じ家主から店を借りているが、そのうちの1軒が立退料を3億円要求している。それも、家主や管理している当社に言ってきたのでなく、当方で雇っている弁護士に言いに行ったのだからあきれる。その店舗は家賃7万3500円。「私はそこで年商1億円を得ている。『出ていけ』と言うなら3億円くらい出してもらうのが妥当だろう」との主張。弁護士が「話がかみ合わないからまず調停をします」と言い、10月に簡裁で第一回の調停を開いたが、その時には立退料を9000万円まで下げてきた。それでも法外な要求である。いくら商売をしているとはいえ常識外れの金額。その時点で「仕事が忙しいから次の調停に来られるのは来年2月以降」とのこと。調停員も「これでは裁判するしかないですね」と言っていたようだ。

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