紙上ブログ 不動産屋の独り言 842 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 いささか問題アリの不動産会社と客(2) 損害賠償請求に向けて
住宅新報 2026年3月10日 号 6面

前号の続き。契約金は返されることになったが、早く次の住居を探さなければならない。そこで私が弁護士を紹介して一緒に法律相談を受けた。結果は、思った通り「その段階で断りを入れてきた家主に損害賠償請求ができる」とのこと。ただ、まだ賠償金を払ってもらっている訳ではないので、長くホテル代を負担できなくて友人の家を転々とし、長くは居候もできない。倉庫代も前払いで、結構な負担になる。関わった不動産会社も少しは責任を感じているのか、代わりの物件を紹介してくれて「当方の仲介料は不要です」と言う。だが、それでも即入居可能な物件ではないから当面は費用が掛かる。
付き合いは大事
この場合、私は「最初から当社に部屋探しを依頼してくれれば良かったのに」とは思わない。その客は職業柄、何社も不動産会社と付き合いがあり、それは大切にしてほしいから。その母親が別の不動産会社の社長を知っていたので、わが子の窮地を心配して相談したら、「最初からうちに部屋探しを依頼してくれたら話は別だけど、困った時だけ相談されてもね」と冷たく言われたようだ。そう言いたくなる気持ちは分からないでもない。今の時点で家主を相手に損害賠償の訴訟を起こすべく家主の情報を集めているところで、最初の業者もそこは協力してくれている。あるいは、「当社が損害賠償訴訟の巻き添えを喰らったらたまらない」ということかもしれない。協力しているように見せ掛けて、火の粉を被らないように、とも思える。
出禁の過去も
疑ったらキリはないが、家主が賃貸から売買に方針変更したことで手数料の額は跳ね上がるから、それで家主に強く言えなかったのか。どこまでを損害と認めてもらえるかは不明だが、早く動く必要がある。幸い次の新居は別の不動産会社で見つかって契約も済ませたが、入居できるのは半月先だ。それでも次が決まったので気分的には楽になるだろう。で、私がうちの店で部屋探しをしないで相談だけ乗っているのには他にも理由がある。当社の管理物件に入っていた時に細かなことでクレームを言われてうんざりしていたから。最初の不動産会社からも途中で「もうあなたの部屋探しはしません」と出禁になっていて、その気持ちは分かる。(坂口有吉不動産・社長)






















