紙上ブログ 不動産屋の独り言 806 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 親切心が仇になった客 家主とは気まずい仲に
住宅新報 2025年6月17日 号 6面

とても苦い経験がある。統合失調症で生活保護を受けている男から「今度娘と一緒に暮らせることになったので部屋を紹介してほしい」と依頼を受けた。奥さんがDVで亡くなっているとも知らず部屋を紹介し、入居後に態度が激変して、それが故に管理物件も車も失うことになった。この体験から用心していたが、数カ月前に他社から申し込みしてきた男を入居させ失敗した。保証会社の審査も通ったし、転居理由が「住んでいるアパートの老朽化」というので私の判断で契約した。大抵は、家主に「申し込みが入ったので保証会社に審査してもらってます」と連絡すると、「後はお任せします」になるが、その家主は「断ろうと思っていた」と大激怒。「心配していたけれど、結果的にいい入居者で安心した」になれば良かったが、残念ながら家主の予感が当たってしまった。
共用部に荷物の山
契約も終えていて、もう断る訳にもいかない。心配で、引っ越しの当日、私がアパートに行くと、2DKの部屋は何とキッチンまで段ボールの山だ。天井に届きそうなくらいで、「これじゃ、どこで寝るのか」と聞きたくなった。更に、ドアの前の共用部にも荷物の山。私からすればゴミでしかないが、本人は「荷物だ」と言う。それが今も片付いてはいない。「この段ボールの中身は何ですか」と聞くと、「ほとんどが私の衣類です」と言う。生活保護で、それほどの衣類がどうして必要なのかが分からない。本人は処分する気はないみたい。役所のケースワーカーからも指導してもらっているが効果はない。更に250ccのバイクを持っていて、ウーバーイーツのバイトをやっている。






















