紙上ブログ 不動産屋の独り言 803 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 店舗入居者との立ち退き交渉 法外な要求にあぜん
住宅新報 2025年5月27日 号 6面

当社が管理する店舗物件で、宝飾品を作って販売する男性がいる。顧客には日本のタレントやハリウッド映画のスターもいて、自身もパリコレのランウェイ(舞台)を歩いたことがあるという。だが、それは本人の弁でどこまで本当かは分からない。10年ほど借りてもらっているが、建物が老朽化していることで建て替えの話が出ている。他店舗の賃借人とはスムーズに交渉が進んだが、その男性は一筋縄ではいかない。「ここを出ろと言われても、内装も大々的に作り直しているし、半年程度でよそになんか移れませんよ。補償はどうなりますか」と聞く。「家主さんの意向で、常識的な世間一般の立ち退き料と期間は差し上げます。商売をしていて顧客も付いているでしょうから、居住用物件の明け渡しより立ち退き料も多くなるでしょうね」と伝えた。
弁護士を介して
しばらく待ったが何も言ってこないので弁護士を間に入れて交渉することになった。まずは弁護士から「要望や質問があれば当職にご連絡ください」という文書を送ったが、やはり反応がない。たまたま道で会った時、「弁護士から手紙が届いていると思うんだけど、連絡してもらえましたか」と聞くと、「いえ、まだです」と言う。それで、「家主さんも柔軟に対応してくれると思いますので、希望があれば仰ってください」と言ったら「分かりました」とのこと。1週間ほどして弁護士から電話があり、「昨日、事務所を直接訪ねてきて、私がたまたまいたので直接話をしたのですが。内容はFAXで送ります」とのことで文書が3枚送られてきた。






















