不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 799 珍しい経歴の飛び込み営業マン 第一印象で損しているが…
住宅新報 2025年4月22日 号 6面

店番をしていたら、少し変わった雰囲気の営業マンがやってきた。その髪型で飛び込み営業はまずいだろう。顔立ちもイカツイ感じで第一印象は悪い。だが、飛び込み営業のつらさは知っているつもりだ。「土地の仕入れの営業さんですよね」と言ったら図星。いすに座ってもらい名刺交換をして缶コーヒーを提供した。「どうして分かったのですか」と聞かれたので、「ここには事務機か土地の仕入れの営業さんしか来ませんよ。前者には見えなかったので」と答えると大笑い。「T市で土地の仕入れをするのは難しいですよ。おそらく一日中、足を棒のようにして飛び込み訪問しても何の収穫も得られないでしょう」と言ったら、「実は、今まで全て門前払いでした」と正直に言うが、表情は明るい。
夢のために転職
「実は営業を始めてまだ2週間です」とのこと。以前は郷里の四国の市役所で公務員をしていたようだ。安定した境遇にいながらどうして上京して不動産営業を始めたのか聞いたら、「私には夢があって、一生を公務員で送るつもりはありません。甘い環境にいたのでは夢の実現も困難になるだろうから、厳しい不動産営業の道を3年くらい経験して、郷里に戻ろうと思っています」とのこと。年齢は26歳、今どきの若者にしては珍しく「安定した道より困難な道のほうを選ぶ」ということでは感心した。地元の国立大学を出て公務員になっているから優秀な人材ではあるんだろう。ただ気掛かりがある。






















