紙上ブログ 不動産屋の独り言 797 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 猫の飼い主からの入居相談 「経験上、信用できません」
住宅新報 2025年4月8日 号 6面

当社の入居者募集物件に同業者から問い合わせがあった。「現在、お客様が猫を4匹飼っているのですが、Gハイツは入居可能ですか」と聞く。確かにペット可物件ではあるが、その場合、「犬または猫いずれか1匹のみ」が常識。何か事情があって複数匹を飼わなければならない場合でも、家主と相談できるのはせいぜい2匹までだ。1匹だけだったとしても、大型犬はダメであったり、過去の嫌な経験から「猫はダメ」「犬はダメ」と断られるケースもある。それはとてもゴリ押しできない。過去には、私がそう説明したら「あなたには動物愛護の精神がないのですか」と猛抗議を受けたことがある。後味が悪い話だ。
開き直りも
実は、わが家でも、猫好きな妻が野良猫を1匹保護している。気持ちは分からないでもないが、私の経験上、「これ以上は絶対に増やさない」と誓約書を出してもらっても内緒で飼い、「バレたらバレた時、私は動物の保護活動をしているのであって何も間違ったことはしていない。それが理解されないのは家主や管理会社のほうが間違っている」と開き直ってどんどん数を増やしていってしまう可能性が高い。過去には猫屋敷状態が発覚し、家主から「おたくが話をして出て行ってもらってくれ」と依頼され、入居者と話していたら、奥さんが突然号泣した。「この子たちを保健所に連れて行って殺処分しろ、と言うのですね。そんなひどいことがよく言えますね。私にはそんなことできません。ここを追い出されたら私も行くところがありませんし、この子たちも安心して暮らせる場所を失います。この子たちのためにお断りします」と言い出した。だが、私はそんなことは知らない。それで納得していたなら仕事にならないのだから。






















