被災時の対応力強化を 日管協 3支部長が経験則を披露 社員のケア、対応方針も必須
住宅新報 2024年4月23日 号 7面

日本賃貸住宅管理協会は4月17日、東京都内で24年度第1回全国支部長会議を開いた。会議後半では防災をテーマにしたディスカッションが行われ、被災経験のある3支部長(田上育美氏・石川県、松永泰一氏・富山県、川口圭介氏・熊本県)が登壇(=写真)。「被災直後の状況」「復旧に向けた住宅確保の取り組み」「震災からの教訓・課題」の切り口から大地震発災時の賃貸住宅管理会社の取るべき対策について考えた。
今年の元旦、正月の団らん風景を一変させたのが能登半島地震だった。石川県の田上氏は、有志社員4人と現地に駆け付けた当時について「電気温水器が倒れて漏水し、エレベーターが止まった。設備復旧に動ける業者の確保が最優先と考え、個人携帯に電話を掛け続けた」と回顧。また、民間賃貸住宅を仮設住宅とする「賃貸型応急住宅」については、「制度のフローチャートはあるものの、行政の対応が変わることもあり、十分に機能していない。行政は改めて全業界と打ち合わせすべき」と指摘した。
富山県の松永氏は「給水管トラブルに関する保証について理不尽なクレームもあった。現場で対応する社員のケアが不可欠であり、会社としての対応方針を決めておくことが重要」と振り返った。
熊本地震を経験した川口氏も従業員の心のケアや、建物の修繕業者との平時からの関係性構築の重要性を指摘。SNSによる情報発信で食料支援を得られた教訓や、ショートメールサービスを使って被害状況のヒアリングと工事等の対応策を発信したエピソードを紹介し、「入居者の安心につながり、月日の経過と共にエスカレートしていた入居者の苦情が収束に向かった」と振り返った。
結びに、ファシリテーターを務めた日管協常務理事の荻野政男氏は、「従業員をケアしながら入居者、オーナーを守る取り組みを実践した会員企業の経験を共有できることは、同業者が集まる全国組織の強みだ。組織として行政、業界団体にも提言できることはする。東京都支部が作成した『防災マニュアル』も改定する機会があれば、被災経験を盛り込みながら賃貸住宅管理業者の知恵袋としていくべき」と語った。






















