紙上ブログ 不動産屋の独り言 748 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ADが付かなければ紹介禁止に そんな営業方針の大手があるの?
住宅新報 2024年4月9日 号 6面

長く空いている当社の管理物件に、大手不動産会社から、久しぶりに空き確認の問い合わせが入った。3DKの物件だが大学生が一人で使う、とのこと。その学生は美大生。住居としてでなく、アトリエとして借りる意向。住居は近所にあって、友人もたまに一緒に制作をするとかで、部屋数が3つ、というのがありがたいという。前借主は会社としていたので用途的には問題はない。場所はやや不便ではあるが、比較的きれいな物件だし、見てもらえば気に入ってくれるだろう。もしかすると今の住居は解約してその部屋を住居としても使ってくれるかも、と期待していたところに、問い合わせてきた不動産会社の営業マンが再び電話してきて、こんなことを聞く。
客が後回しに
「さっきの物件はADは付いていますか」と。「すみませんが、うちはそういうことはしていないので」と答えると、「例えば、礼金を1カ月上乗せして、それを頂くとか、0.5カ月でもいいんですが、ADを付けられないでしょうか」と粘る。よくあることなのでそれ自体に驚きはしないが、問題はその後。「そうですか、うちの会社の方針で、ADが付いていない物件はお客さんに紹介してはいけないことになっていますので、今回の話はなかったことになりますが」と言う。何それ、である。それだと、お客さんの希望に合っている部屋であっても紹介しないのだから、お客さんの利益に反することになる。もしかすると、「ああ、その部屋は決まってしまったみたいですね」とか適当な理由を出して諦めさせるか、そもそも資料も見せなかったりして。






















