不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 740 賃貸業歴37年で初めての体験 転居先住所の記載を拒否されて
住宅新報 2024年2月13日 号 6面

隣町の当社管理物件に入居する女性Tさんが退去することになった。勤務先がアパートの近所ということで都合が良く、法人契約で家賃の補助が得られて喜んでもらっていたが、半年ほどして、勤務先の介護施設から「現在法人契約で入居しているTさんに付き、当社とは関係がなくなるので、契約書を個人契約に書き換えて頂きたい。該当アパートと私どもの関係がなくなるという証明書を発行してもらいたい」との依頼。水に合わなくて退職するのかな。次の勤務先は見つかっているんだろうか、と心配になった。それにしても、本人と勤務先が関係ないという証明書を何で管理会社が出さなければならないのか不思議である。勤務先が替わってもしばらくは入居していたが、更新期限を迎える1カ月前に退去することになった。
きれいな明け渡し
引っ越し立ち会いの数日前にきれいに室内を片付けてあった。2年間の入居だとしてもすごくきれいな明け渡しだ。ところが、私が「こちらに移転先の住所等をお書きください」と書面を渡そうとすると、「これ、どんな意味があるんですか。どうしても書かないといけないですか」と聞く。「退去する際に郵便局に転居通知を出していても、こちらに大切な郵便物が届くことがあります。敷金の精算書もお送りしますのでお書き頂いています。書きたくない、ということでしたら郵便物の転送や敷金の清算もできないことになりますが構わないでしょうか」と聞くと、ニコリともしないで「はい」と言う。そういえば、その日は一度も笑顔がなく、「お世話になりました」なんて言葉もない。不愛想というより、私が嫌われているみたいで不思議である。






















