紙上ブログ 不動産屋の独り言 737 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 電話対応は大事だけれど 「それ、今でなくちゃダメですか?」
住宅新報 2024年1月23日 号 6面

当社の固定電話に掛かってきた電話は全て私のスマホに転送される。一人で営業していると、ずっと店番をしている訳にもいかない。銀行や案内その他の用事で1日の半分くらいは外出していることもある。その都度留守番電話になると、用件を録音するのが苦手な家主に、「だから小さな不動産屋は困る。客から問い合わせがあっても電話に出られなければ商談の機会を逃すことにもなりかねない。大手に管理を任せたほうがいいかも」と思われかねないからだ。
いつ電話しても必ず私が出る、ということでなければ零細企業は大手に太刀打ちできない。だが、街の多くの不動産業者は水曜日が定休日として知られていると思うのに、水曜日に営業している同業者から水曜日に電話が入ることは多い。
あえて定休日に
同業者からの電話は物件の有無の問い合わせ。ありがたいことだし気にならない。私が気になるのは入居者からの電話。「トイレの水がちょろちょろ出ていて止まらない」や「上の階の入居者の出す音がうるさいから注意してもらえないか」、「エアコンの効き目が悪いみたいなんだけど」という用件。どれも緊急性はない。今日、急にそういう事態になった訳でなく、前から気になっていたことを言ってきただけ。本当に緊急性があるなら仕方ないし対応もするが、ほとんどは「それ、今でないとダメですか。申し訳ないのですが、今日は定休日です」と言いたくなる用件。私が「今日は定休日」と言っているのに、「それは申し訳ありません、うっかりしてました」と言って引き下がる入居者は少ない。知っていて掛けてきているんだろうか。
無関係の同居者も
極めつけは、大みそかの夜9時に掛かってきた入居者からの電話。正確には、生活保護の女性の部屋に転がり込んでいる男からだ。「私が一緒に暮らしていることで彼女が生活保護を打ち切られるかもしれない。おたくが市役所に通報すると聞いたんですけど、本当ですか」と。私はそんなことは言っていない。生活保護を打ち切られて家賃が入らなくなったら家主が困るのだから。だが、その同居人の男、車も所有していて、ゴミ出しのルールも守らないから他の入居者から度々クレームが入る。やはり役所に連絡すべきかな。(坂口有吉不動産・社長)






















