「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第29回 良質なファミリー賃貸の不足と定期借家の関係
住宅新報 2023年7月18日 号 12面
今回と次回は5月にリリースのあったアットホームの「定期借家物件の募集家賃動向(2022年度)」について考察したい。アットホームの調査は主に首都圏を対象としている。全体的に定期借家のマンション、アパート共に平均募集賃料は上昇傾向で、いずれもファミリー物件の上昇が目立っている。なぜそうなるのか。
ニュースなどでもしばしば話題になっているが、首都圏の新築分譲マンションの高止まりが続いている。不動産経済研究所の首都圏新築分譲マンション市場動向(23年5月)によると、平均価格は8068万円となっている。これは工事費の高止まりと連動しており、今後もこの傾向は続く可能性が高い。これで新築分譲マンションの購入を諦め、良質なファミリー賃貸物件を探す人が出てくる。しかし、以前から言われてきたことだが、市場には十分な数の良質なファミリー賃貸物件は少ない。つまり、希少なのである。
東京23区の70m2超の物件については、定期借家から普通借家の平均募集賃料の差額が約11万円となっている(図表参照)。これはタワーマンション(以下タワマン)の賃貸が主流になっていると思われる。タワマンは分譲マンションの中でも質の高いものが多い。























