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スタンダード会員限定住宅新報家賃調査 単身向け需要は低調 東京圏 上昇傾向もフリーレント増

住宅新報 2022年11月8日 号 1面

管理(賃貸・分譲)
  • 住宅新報家賃調査 単身向け需要は低調 東京圏 上昇傾向もフリーレント増

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 東京圏のマンションの平均成約賃料はワンルームタイプが7万4614円で前回調査(22年3月1日時点)比0.34%プラスとなった。1LDK~2DKタイプは11万317円で同0.35%プラス。2LDK~3DKタイプは13万7926円で同0.04%プラス。マンションは、すべてのタイプで上限価格、平均価格、下限価格がプラスとなった。春に比べてプラス0.5%を超える上昇もあり、横ばい傾向が続いているものの若干の上昇も見られる。

 アパートの平均成約賃料は、1K~1DKタイプで6万4716円で同0.36%プラス。2DKタイプが8万8082円で同0.24%プラスとなり、アパートもすべてのタイプで上限価格、平均価格、下限価格がプラスとなっている。テレワークの普及などで1Kなど狭いタイプの需要が低下している状況は継続中だが、中央線沿線での上昇がプラスをけん引しているようだ。

 市況全体としては、シングル、単身の動きが鈍い。「ユーザーにお金がない、収入が上がってない」と指摘する事業者も多い。他方、強気の値段の新築を決められる層はいるという。郊外駅では都心からの住み替え需要が見られるが、単身よりも2人暮らしで賃料を抑え、広めの部屋を探すという動き。コロナ禍直後よりも経済的、マインド的な冷え込みが進み、格差が発生しているようだ。

 ただ、前回調査時よりも「礼金ゼロ」「フリーレントあり」物件が増えたとのコメントは多く聞かれた。一部ではあるが、「法人(社宅)の動きが出てきた」「学生需要が戻りそう」など明るい材料もあった。

 「どちらかと言えば、去年の今よりも客足はよくない。人の移動自体が下火。シングルは特に。一方、ファミリータイプの新築や築浅の物件は少ないので、相場は落ちていない」(京浜急行線上大岡駅)。「シングル向けワンルームで何カ月分もフリーレントを付けてしのいでいる」(JR京浜東北線王子駅)。「メインはファミリー層で、募集を出したらすぐ決まる。より広く、静かな部屋が人気で、少し高くても遮音性の高い所が人気」(同川崎駅)。

 新型コロナウイルス感染症の影響が一息ついたとは言え、移動に尻込みする層が多い。「引っ越ししたいが、せっかくこの地域の医療体制に慣れているのにと考えると二の足を踏む」(30代女性)という声もあった。

資材不足は落ち着きも

 前回調査で、半導体不足により給湯器などが品薄になり、故障した場合に修理もままならないという事態になっていた。そうした状況は改善されており、「賃料は動かない。今年の春は給湯器が不足し、案内も止めていたが、少し前進。給湯器の準備ができた部屋は決まっている」(小田急本線新百合ヶ丘駅)。

 コロナの影響で伸び悩んでいた法人向けの動きを見ると、依然として厳しいという声もあるが、「コロナ下では前年並み、コロナ下前の活気なし。その中でも法人の動きは見られる」(京王線府中駅)。「例年の繁忙期と比べれば、法人客の動きはあるが、個人客は鈍い」(同)。「業種にもよるが、法人需要がある程度回復してきた」(京浜東北線川崎駅)という持ち直し傾向が様々な地点で見られるのが特徴だ。

IT重説は浸透 今回の調査では、今年の5月改正規定が施行された、「契約電子化(IT重説含む)への対応」についてもヒアリングした。結論から言うと、かなりの数の会社が対応していると答えた。「賃貸部門では充分に対応済みで、IT重説から書面の電子交付、契約書までOK。利用するのは遠方の客で全体の1割あるかないか」(京浜急行線上大岡駅)。「IT重説は会社としても推進し利便性アップ。学生が中心で、通年で実施している」(京王線多摩センター駅)と進んでいる会社もあれば、「契約書を作るクラウドソフトは入れているが、使い方の練習ができていない。問い合わせもまだ1件なので。とは言え、便利なものだと思う」(京浜東北線王子駅)。一方で、「IT重説は前からやっているが、実際は95%以上は対面と紙。紙で欲しいという客のニーズもあり、電子交付のみというのはほぼやっていない」(同東神奈川駅)というのも実情か。大手の支店などでは、本社と一部の系列店で先行しており、こちらにも浸透していくとする。

 ところで、IT重説は、賃貸など取引が安いもので進むといわれているが、現実は、「超高額物件の売買でも進んでいる。むしろ安い賃貸物件などでは、対面で客付けしないと家主に迷惑が掛かる」と、電子化の波及が想像通りではないケースもある。これからも注視が必要だ。

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