「人命」と「費用」で議論 マンションのAED設置でレポート 大和ライフN
住宅新報 2022年10月25日 号 5面
大和ライフネクストのマンションみらい価値研究所は10月18日、分譲マンションにおけるAED(自動体外式除細動器)設置について調査したレポートを公開した。
AEDの設置に法律上の義務はなく、マンションでの導入については、基本的に管理組合の判断で行われている。そこで同研究所は、同社が管理を受託している分譲マンション約4000組合における会計データ(20年1月~21年12月)や、管理組合の総会資料および議事録から、AEDに関する支出や議案について調査。AED導入の実態のほか、検討段階でどのような議論が行われているかを分析した。
同調査によると、対象とした約4000組合のうち、AED関連の支出があったのは829組合(約21%)。支出内容の多くはレンタル契約の費用であり、そのほかの支出も、AED本体やバッテリーの交換費用などAEDの設置を示す支出であるため、管理組合による有償のAED導入率は約21%と考えられる。
参考事例や手法を紹介
加えて同研究所は、総会資料および議事録から、議案名に「AED」を含むものを抽出してサンプル調査を実施。またその内容を整理し、AED設置への賛成・反対双方の意見をまとめている。
「賛成」としては「人命を最優先すべき」といった意見が多く見られた。それに対し「反対」では、「AEDを使用する事象の発生確率」への言及が多く、発生頻度の低い緊急事態への対応と費用負担等との兼ね合いから、必要性を疑問視する傾向が見られた。
こうした賛否両論に対し同レポートは、「相容れない個々の価値観の部分であり、管理組合としての決断に頭を悩ませるものだろう」との見解を示す。同時に、AED設置の議案を提示する際に用いられた、「事前にアンケートで組合員の意見を確認する」という手法や、「総会での意見や質問に対する理事会回答と準備資料」など、今後検討する管理組合の参考となる事例を紹介している。






















