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スタンダード会員限定「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第8回 定借導入には物件力アップが不可欠

管理(賃貸・分譲)
  • 出典:アットホーム「定期借家物件の募集家賃動向(2021年度)」

    1 / 2出典:アットホーム「定期借家物件の募集家賃動向(2021年度)」

 前回に引き続きアットホームの「定期借家物件の募集家賃動向(21年度)」を分析していきたい。今回のデータで注目したい部分の一つは、東京23区の全面積帯のマンションにおいて定期借家(定借)は普通借家よりも高い家賃を取れていて、広い面積帯ほどそれが顕著であり、特に70m2超においてはおよそ10万円高い家賃を取れているということだ(図表参照)。このことについてアットホームは大型ファミリー物件、特に立地や設備が良いタワーマンションでは「希少性が高い」ため家賃の増額が可能であるとしている。逆に捉えると専有面積が小さいものについては多数の物件がある(希少性がない=競争が激しい)ため、定借を採用することや更には家賃を相場より値上げして募集することはやりにくいということである。これは不動産賃貸ビジネスにおける戦略上の問題であり、また専有面積や設備、内装において平均的な物件が多くを占めている賃貸市場全体の問題でもある。

 戦略上とは、そもそも物件の差別化ができていないものが多数で、貸主として強気に出ることができないということである。借主からすると似たような物件ばかりなので、結局は駅からの距離や家賃で選ぶことになる。私は定借の講演で大家と直接話す機会が多いが、皆定借には興味を持っていて、中には導入を検討している人もいる。

 ただ、簡単に取り組めないのは不動産業者の抵抗もあるが、何よりも「定借にしたら客付けに影響する(お客が付かない)ので、取り組みたいが取り組めない」と言う。客付けに影響するのはそもそも物件力がないのに定借を導入しようとするからである。物件力とは、借り手に訴求できる物件の魅力・競争力と言い換えることができる。

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