民間の知恵を生かせ 社会との接点づくり創出 創刊75年企画 ~残せる器~ 都市と地方で山積する課題 東京・調布、鳥取・南部町の取り組み 空き家 追跡
住宅新報 2022年6月28日 号 11面
住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家は約820万戸に上り、長期にわたって不在などの状況が318万戸と1993年から20年間で2.1倍に増加した。国は先進的に取り組む自治体を中心に空き家所有者等の特定事務の実施状況を調べており、集計可能な72自治体の調査戸数1万1565戸のうち95%が所有者等を特定できた。だが所有者が数十年前に死亡していたり、相続人が数十人に及ぶ例など特定ができない業務負担も大きいとする。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家法、15年全面施行)に基づく助言・指導について無反応が少なくない。自治体は高額な代執行費用の回収にも頭を悩ます。48事例中、費用を全額回収できたのは5例のみだった。
民間の知恵が欠かせない。共立女子大学で家政学部建築・デザイン学科教授の高橋大輔氏は、「空き家への対処は残すモノと残さないモノをバランスよく取っていくべきだ。使える空き家は使っていくという意識付けが必要ではないか。人口が減少する中で新築住宅が増え続ける。国も、そのあたりの向き合い方や住宅産業との付き合い方が重要になる」と話す。高橋教授は、郊外の住宅地や中山間地域で空き家の利活用を実践しながら地域の活性につながる研究に従事しており、これまでに東京都大田区や長野県小谷村で手掛け、現在は東京都調布市や鳥取県西伯郡南部町でさまざまな世代の住民が集い、商う場所としての空き家再生に取り組んでいる。























