廣田信子の紙上ブログ No.297 マンション管理応援歌 事故物件の告知は共用部分での死亡も対象
住宅新報 2021年6月22日 号 5面

廣田信子氏
国土交通省が、過去に人の死が生じた不動産の取引に際して宅地建物取引業者が取るべき対応などについて、ガイドライン案をとりまとめました。いわゆる事故物件の扱いです。
告知が必要なのは、他殺、自殺、事故死、その他原因が明らかでない死亡(事故死か自然死か明らかでない場合等)です。ただし、病死であっても、死亡後長期間にわたって放置され、室内外に臭気や害虫等が発生し、特殊清掃等が行われた場合は原則として告げる必要があります。心理的瑕疵(いわゆる事故物件)に関して、これまであいまいだった「原因不明の死」「病気による死亡が長期間放置された場合(いわゆる孤独死)」の取り扱いが明確になります。
媒介を行う宅建業者は、売主、貸主に対して告知書等の書面に過去に生じた事案について記載を求めることで調査義務を果たしたとされます。記載されていない過去の事案が後日判明しても宅建業者に重大な過失がない限り、調査は適正になされたものとみなされます。売主、貸主の責任が重いということです。
告知すべき内容は、事案の発生時期、場所および死因です。その期間は、賃貸契約の場合は、事案の発生からおおむね3年間とされていますが、売買契約については期間の明記がありません。判例等が不足しているためです。したがって、過去の事実は何年経っても告知する必要があると解釈できます。
売買も期間設定必要では
対象となるのは居住用不動産に限り、対象不動産以外で生じた事案は対象外ですが、集合住宅については専有部分に加え買主・借主が日常生活で使用する場所(共用部分等)も含みます。共用部分における死亡も含むとされているところは、マンションにとっては影響が大きいと思います。屋上からの飛び下り自殺や機械式駐車場での死亡事故があった場合などは、そのマンションのどの住戸を貸すまたは売却する場合でも、その情報をいつまでも告知しなければならないということです。これらの事例に当てはまる具体的なマンションが頭に浮かびます。
とすると、やはり、売買の場合も、告知すべき期間を決めないと、たまたまこういった事件や事故に遭遇したマンションにちょっと酷だな…と感じました。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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