生活協同組合インタビュー 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 常務理事 伊藤由理子氏 協力して暮らしの願いを叶える
住宅新報 2020年2月18日 号 7面

「場の持つ力は、人の気持ちも大きく変える」と伊藤常務理事
――組合員の協力で。
「どのような仕事に従事をしていても、誰もが生活者であり、食べて、住み、消費する。組合員の望みを様々な生活の場面に組織で協力して、実現するのが生協の姿にある。食を基本に、介護や育児などのニーズや、抱えている課題、時代の変化に合わせてテーマは広がっている」
――幅広いテーマに。
「身体に優しい石鹸を使う運動も長く続く。個人の問題意識の点は、面として地域に広がる。当組織は全国21都道府県で独立に活動する33の単位生協(以下、単協)と共済連で組織し、その中で、意識を持つ技術者や職人らは工務店会などを組織し、シックハウス症候群などに配慮した住空間づくりも手掛けている」
――住まいの関連でも。
「東京の単協では居住支援法人に指定され、福祉団体と連携し、組合員の持つ空き家を登録住宅として活用している。社会福祉法人を資金カンパで立ち上げ、特別養護老人ホームやデイサービスなどを運営している。最近は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の事業も手掛け始めた」
――サ高住の事業も。
「これらの施設は理念に共感する人たちが集まり、組合員に加え、公益的に地域で親しまれている。世の中に理想形がなければ〝自分たちでつくる〟が変わらぬモットー。それは食で、福祉の分野でもある。古めの昔風のアパートでも高齢者向け施設として運営し、多大なコストを掛けずに気持ちの良い場所はつくれる」
――コストを掛けず。
「必ずしも立派でおしゃれではないが、気楽な近所付き合いのできる環境を提供することで、心の豊かな暮らし方はできる。豪華さを求めるのでなく〝地域のため〟との観点に力を入れる。山形県酒田市では〝参加する暮らし〟をテーマにCCRC構想の検討メンバーで参画した」
――地域のために。
「産地に移住し、生産者と交流する。地域と移住者が共に活躍できるコミュニティを形成する。出会い、集い、生きがいや暮らす楽しさを生むようなまちづくりをする。組合員の勉強会でも〝住まい〟に一番に関心が持たれ、悩みを抱えているとの声が届く」
――住まいに悩みを。
「誰と暮らし、どこで生活するのか。その意味からも、地元工務店や不動産会社には〝場〟の提供に協力や相談をお願いしたい。場のつくり方の一つで、人の気持ちは大きく変わる。場の持つ力はすごく大きい。生活の大切な要素で、プロの英知が必要となる。皆さんと協力して、持続可能で素敵な暮らしを未来の次世代に手渡していきたい」






















