アットホーム 仲介と管理会社の業務をつなぐ 申し込み・審査の電子化、連携進む
住宅新報 2020年2月11日 号 6面
賃貸の入居申し込み業務をウェブで完結する「スマート申込」。家賃債務保証会社への審査申し込みにも連携し、入居希望者・仲介会社・管理会社・審査会社による情報受け渡しの負担を大幅に削減。審査のスピードアップや空室日数の短縮につながり、賃貸住宅オーナーの収益向上にも貢献できる。アットホーム基幹サービス開発部長の原雅史氏(写真)は「業界をつなぐ視点で開発・改善を繰り返す業務支援サービス」と説明する。
開発の出発点は16年。不動産会社数十社へのヒアリングの結果、管理会社は毎日膨大な物件確認の電話や手書き書類の不備対応など、情報配信後の手間が切実な課題だと分かった。物件確認については、ライナフ社との提携で「スマート物確」をリリースしたため、次に着目したのが申し込み業務。入居希望者の入居意志は固まっており、契約業務の最初のステップだ。他方、仲介会社側から見ると管理会社によって申込書式が異なるという課題があった。「入力も送信もでき、素早く展開するサービスの標準化を考えた」(原氏)。
アットホームが持つ加盟店ネットワークと対面を重視した営業力を武器にサービスの独自性を目指した。5万804店(2月1日時点)に導入されている「ATBB(不動産業務総合支援サイト)」から利用できる仕組みとすることで、仲介会社の手間をなくした。更に入居希望者自ら入力する仕組みとステータス管理を可能とし業務の手離れと進ちょく管理も実現した。
申し込み受け付け後の工程は様々だ。従来通り、出力して紙で次の工程へ回す会社もあれば、自社の基幹システムと連携を図り、次の審査業務に速やかに回す企業もある。
東急住宅リース(三木克志社長)は、19年12月から「スマート申込」の提供を開始。同社のウェブ入居申し込みシステムの導入は2例目。仲介会社が利用可能な選択肢を増やし、仲介会社と入居希望者の利便性向上を図っていく戦略の一環として、同システムの開発段階から実用化に向けて賃貸管理業務のノウハウを提供してきた。同社では「『スマート申込』は普段から多くの仲介会社が使う『ATBB』の中で利用できる点がメリットだ。当社管理物件での利用実績もあり、仲介会社にとって便利になった」と手応えを示し、今後、更にもう1社の導入を予定しているという。
アットホームでは半年間の反響を上々と受け止める。他方、業務フローの見直しや事業構造そのものの変革が生じるため、システム連携や社内調整など準備期間に6カ月以上を要するという。導入時期の見極めが懸念事項となるが、「先行企業では順調に運用が進んだ。繁忙期明けから試したいという声が増えている」と原氏は自信を見せる。
同社は、家賃債務保証会社とのシステム連携も進める。4月の改正民法施行を見据え、今後増加が見込まれる家賃債務保証会社とのやりとりにかかる業務負担の軽減を目指すためだ。今年1月からはビジュアルリサーチ社の賃貸管理システム「i-SP」とのデータ連携も開始。更なる機能の改良と、管理会社・仲介会社へのサポートを強化し裾野を広げていく考えだ。
























