団地だからこそできる 東京都住宅供給公社・神奈川県住宅供給公社 楽しみながらつながりをつくる
住宅新報 2020年2月4日 号 7面

団地の暮らし方、住まい方の魅力を再発見した
東京都住宅供給公社理事長の中井敬三氏は開会に、「老朽化や高齢化でかつての活気が失われ、新しい団地も同様」と分析し、「子育てや高齢者に安心な住環境を求める声は切実。団地は全国共通の課題を抱え、セミナーで糸口を見つたい」とあいさつした。
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授の藤岡泰寛氏は、「団地コミュニティの再編とこれからの大家業」と題した基調講演で、「団地はかつての〝住宅すごろく〟の通過点だったが、若年層の持ち家離れが加速。今やその〝上がり〟は様々」と指摘し、「地域で住むと働くという環境づくりも大事になった」と説明した。
また、多世代共生や地域連携で団地再生に取り組む都市型団地の事例で、東京都住宅供給公社の「コーシャハイム千歳烏山」(世田谷区南烏山)を紹介。団地内のコミュニティカフェ「ななつのこ」を運営するNPOツナグバヅクリ代表の鎌田菜穂子氏は、「様々な個性の地域組織に場を提供して支援する。まちの中の〝力〟を信じれば、社会課題を解決できる」と解説した。
一方、駅からのバス便15分という郊外型団地の事例で、神奈川県住宅供給公社の「二宮団地」(神奈川県二宮町)を紹介。テレワークで団地に居住して、独自にブログで魅力を発信する鈴木純・愛夫妻は、半数が空き家だったが現在は年50組以上が新規入居する同団地の状況に、「食事会など毎週の自主的な催しや、里山の自然資産や農体験などの地域の持つ特性がある。団地だからこそコミュニティを形成しやすく、生活の楽しみがここにある」と解説した。
続いて、NPO西湘をあそぶ会代表の原大祐氏を進行役に、「コミュニティ」をテーマに事例の発表者と共にパネルディスカッションし、「その活性化に反対者はいないが、都市の匿名性も居心地が良い。とらえ方は様々であり、干渉し過ぎずに一緒に楽しみながら〝つながり〟を自然発生手的に形づくることが秘訣」との要旨で議論した。
結びに、神奈川県住宅供給公社理事長の猪股篤雄氏は、「団地の課題は将来の日本の姿の先取り。成熟社会に一人ひとりが向き合わなければならない」と総括した。






















