電子取引インタビュー 菊池孝明氏 トレードシフトジャパン ゼネラルマネジャー 電子文書の送受信を簡便に
住宅新報 2019年5月14日 号 6面

「企業間の電子取引を更に円滑にしたい」と菊池マネージャー
――デンマークに本部。
「当該国は政府機関に提出する〝紙〟の書類が禁止されて電子化が進展し、その仕組みを当社CEOが政府勤務時代に構築した経緯がある。SNSで個人間のコミュニティを構築する流れを企業間にもつくりたいと、他の2人の共同創業者と共にサービスを立ち上げた。企業には、ホームページだけで単に〝待つ〟のではなく、もっとインタラクティブ(双方向)にネットワークを広げられるプラットフォームが必要ではないか、との思いがあった」
直感的な操作で
――関係性を広げる。
「当社サービスの特長は、無料通信アプリのLINEのように、マニュアルがなくても、直感的に操作できること。アカウントを作成して、取引先に〝ともだちリクエスト〟をして承認されれば、すぐに先方と、請求書や注文書などの電子文書を無料でやりとりできる。電子文書は当然、ペーパーレスを実現する。郵送や印刷、ファイリング、社内回覧などの手間やコストを削減できるだけでなく、関連作業の面倒もなくす」
――作業を省力化。
「直接、文字データでやりとりして入力や転記ミスを防ぎ、業務スピードを高める。難しいシステムを使うことはなく、クラウド方式で設備投資も必要ない。発信者と受信者の双方が、処理状況や履歴の分かるステータス管理を行える。その相互連携を容易にすることに、当社がサービスを提供する前提にある。特定の業務に特定の機能を提供するソフトウェアやサービスとは、本質的な違いがある」
――連携する。
「受領データを印刷しているようでは、電子化の意味がない。そこで、単純に請求書を送受信するだけでなく、必要なアプリを追加して機能を拡張すれば、一気通貫にオンライン上で手続きを完了でき、使い勝手がよくなる。そのままデータを会計システムや、不動産業界で最近注目されている電子契約サービスなどと連携することで、無駄な事務作業から開放される。当社が請求書など電子文書のやりとりの基本部分のサービスを無料で提供できるのは、そうした電子取引を更に効率化させるなど、機能の拡張や付加するアプリについては有料で提供しているため」
――無料と有料がある。
「そこには狙いがある。一般的な電子取引サービスは利用料が発生する。仮に月1回だけの請求書の発送であれば、それはもったいない。そこで当社は電子文書のやりとりといった基本部分は無料サービスに、それ以上に業務機能が必要な場合に有料で追加アプリを購入してもらう。ある調査では電子取引サービスの導入企業のうち、取引金額の多い上位2割の主に大手企業はそのまま使うが、残る8割の中小企業の多くは紙の書類を使い続けている」
企業間をつなぐ
――8割が断念する。
「電子化にはコストや専従人材が必要だが、中小企業の多くは用意できず、それが電子化の進展を阻んでいる。そこで、まずは使ってほしいとの思いから無料サービスを提供している。大手企業では追加アプリを購入して業務機能を拡張するといった使い方をしている。大手と中小の双方が電子化サービスに触れる環境が整えられれば、電子取引のメリットを最大限に享受できる。当社サービスに、不動産会社の引き合いは多い。今後はファイナンス系のアプリも充実させる。まずは、無料サービスで企業間でつながってほしい」






















