日管協インタビュー 日本賃貸住宅管理協会事務局に聞く 森山友歌氏 米国ポートランド視察ツアー 海外で日本を再認識
住宅新報 2019年3月19日 号 6面
――伝統のある研修。
「海外視察は全体では昨年に37回を数え、この内、米国は20回、490人が参加した。米国は賃貸管理業の定義が確立して10年先を進み、日本の目指す姿に重なる。現地で聞き、見て、感じ、心に触れる体験ができると、役員を中心に毎年企画し、最近はポートランドを訪問先に絞っている」
――日本の指標になる。
「現地では新旧の管理物件、高齢者住宅、戸建て、リノベーション物件から、中堅管理会社、不動産協会を訪問する。凝縮した内容でハードな日程も、実際的に役立つ〝学びの深さ〟から参加者の評価が高い。現地は日本の福岡のような中核都市で、自然豊かに日本の平均的な街並みと似て参考としやすい。毎日150人が移住し、全米一の住みたい、住みよい街に選ばれ、街づくりの成功モデルとも呼ばれている」
将来のイメージ
――日本と似た街並み。
「快適な住まいを提供する仕事は、日米で変わりはなく、それを支えている中心は賃貸管理会社であることも同じ。ただ、現地の賃貸管理業務は、長く住み続けてもらう工夫の〝テナントリテンション〟の考えが発達し、コミュニティづくりに見るべき点が多い。賃貸住宅を軸とするまちづくりを模索する日本の将来イメージに近い。更に、米国の賃貸管理業務の仕組みは日本と大きく違い、プロパティマネージャーとして資産価値を維持し、収益性を高める明確な役割がある」
――PMの役割が強い。
「物件に対して〝投資〟の観点が強い。サブリースや家賃債務保証がなく、仲介会社もいない。入居募集や家賃回収、クレームの対応は、物件専任の専門資格を持つ〝オンサイトマネージャー〟が責任と権限に基づき担っている。米国の賃貸管理会社では、物件の資産価値を高める役割を業務で期待されている」
――役割の分担。
「参加者はその仕組みを知り、日本の良さに気付く機会にもなっている。日本の賃貸管理会社のスタッフは、オーナーに近い存在で親身に対応する柔軟性を持ち、投資物件でなく〝大切な資産〟として扱う。クレーム対応、PMとAMを一人で手掛けるマルチタスクな能力がある。米国の先進性を知り、管理業務の重要性や必要性を感じる貴重な体験を得ていると思う」
出会いと交流を
――日本を改めて知る。
「最近はITベンダーも参加している。帰国後も交流を深め、ビジネスパートナーに発展するケースもある。その〝出会い〟の魅力は、ツアーに多くのリピーターを惹きつけている要因だと思う。今後の日本では、米国のようにプロパティマネージャーとしての役割が強くなる可能性がある。現地で得た知見を、参加できなかった会員間で共有できる仕組みも考えていきたい」
――知見を共有する。
「結局は〝人のつながり〟が要となるのが不動産の仕事。交流の輪を広げるお手伝いが、日管協の役割の一つにある。視察後に参加者は、賃貸経営の良きパートナーである自己を再発見し、賃貸管理業務の社会的な地位向上の意味を強めていると期待している。最近は、台湾や韓国が日本に学ぶ。今度は日本が手本となり、賃貸管理業務の日本らしさの〝おもてなし〟を海外へ伝えられるよう、日管協として会員サポートに引き続き尽力したい」
























