かぼちゃの馬車はなぜ壊れたのか シェアハウスとしての観点から (上) 「シェアハウスとは言えない」
住宅新報 2018年6月5日 号 1面
このシェアハウスを運営していたのはスマートデイズ。もともとはスマートライフという会社で、前代表取締役の大地則幸氏がこのシステムを考案した。女性専用のシェアハウスとし、立地は都心近く、通勤、通学に便利な場所で駅近を選んだ。シェアハウスの個室は約7m2と4畳半ほど。都心ということでいえば、驚くほど狭いわけではない。昔の写真(同社のサイトは閉鎖されている)を見ると、いかにも女性が好きと思わせるようなかわいい寝具や内装になっている。しかし、このシェアハウスには他のそれにはない特徴がある。いや欠点というべきだろう。
共用部はどこに
別掲の間取り図を見てほしい。これは都内西部のかぼちゃの馬車のものだが、シェアハウスになくてはならないものが存在しない。それはリビングなどの共用部だ。
以前、本紙の取材で日本シェアハウス協会の山本久雄代表理事は、「人と人のつながりができるのがシェアハウス」と述べている。同協会の会員のシェアハウスは多世代共生型などつながる場所を重視している。
外国の方と一緒に住んで、リビングで英会話などを実践する。あるいは、異なる文化に触れてお互いの国の有りようを語らう。同じ趣味を持つ人たちと盛り上がる――。かぼちゃの馬車には、その大事な要素がすっぽりと抜けているのだ。これではシェアハウスとは言えない。
写真はリビタが運営しているシェアプレイス行徳のリビングだ。純粋なシェアハウスとはやや異なり、プライベートな時間が守れる個室とコミュニティが広がる共用部を併せ持つ空間として打ち出しているが、個室は9~11m2とかぼちゃの馬車より少し広い程度。しかし、リビングのほか、飲み物を酌み交わしながら話せるラウンジや眺めのよいルーフトップなどがある。こちらも女性に人気で、取材当時7割以上が女性からの問い合わせという物件だった。
場所が千葉県市川市ということで、かぼちゃの馬車とは比べられないかもしれないが、家賃は4万4000円~5万2000円。かぼちゃの馬車が7万円~9万円台後半という。どちらに住みたいかは個人の事情によるだろうが、シェアハウス本来の目的に照らせば、答えはおのずと導かれる。
実際、かぼちゃの馬車の入居率は大地氏が言うところの「9割」ではなく、その半分以下だったという指摘もある。
また、管理も悪く、部屋内に不都合が出ても、修繕になかなか来なかったという。シェアハウスの意義を失った物件を抱える企業が破たんするのは、自明の理。こうした結末を迎えるのも時間の問題だったのかもしれない。
























