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スタンダード会員限定賃貸管理業者も売買仲介を オーナーとの信頼関係、より密に

住宅新報 2018年4月24日 号 1面

管理(賃貸・分譲)

 賃貸住宅管理業者は、日々の管理業務を通じて物件所有者や入居者のニーズをどこよりも熟知している。だが、日本賃貸住宅管理協会(日管協)の会員アンケートによると、「大家の物件売却を売却契約後に知った経験がある」との回答が実に全体の7割に上る。そのために「管理を解約されたことがある」のは9割となり、管理物件の売却イコール管理業務の解約につながるケースがほとんどだ。

 管理業務を継続していくことは、入居者に住みよい空間を提供していくことにつながる。他社の仮に〝低い〟管理品質に移れば、入居者の満足度は急降下し、安心で安全、快適な住環境の確保は難しい。 人口減少や社会構造の大きな変貌から、中古住宅市場は一層流動化されていく。売却や買い替え、もしくはリノベーションなどで資産価値をより高めたいと考える際、賃貸経営の身近な相談相手であり、プロの視点を持つ不動産エージェントとなるのは、物件所有者との関係が深い賃貸住宅管理業者であるべきことは、社会の期待でもある。

 それではなぜ、賃貸住宅管理業者が〝知らないうちに〟物件所有者が売却を決めるのか。同会員アンケートによると、約8割が投資用不動産の売買仲介を手掛け、8割弱は自社物件の売買仲介の実績を持つ。しかし、売買仲介を手掛けていることをチラシやセミナー、個別訪問で告知するものの実際には、物件所有者に訴求できずにいるようだ。

ガイドブック作成

 この周知不足のほか、賃貸住宅管理業者のスタッフによる売買仲介の経験不足、また、内容の難しさも手伝い、売却業務は、投資物件売買の専門業者へ流れているという現状がある。そこで、日管協では、『管理会社のための管理物件の売却時における対応ガイド』を作成。賃貸住宅管理業者に対して、売買仲介の知識も身につけ、管理品質を向上させるように呼び掛けている。ガイドブックは実践的に使うためにあり、実際のアプローチ手法や提案方法についても、出張セミナーなどで解説して後押しもしている。

 こうした中、専門部署を設け、売買仲介の強化を始めた賃貸住宅管理業者がある。東急不動産ホールディングスグループの主要な一社である、東急住宅リースだ。

専門知識の向上と業務効率化 東急住宅リース 専門部署設置で

 東急住宅リースは、17年4月に専門部署「アセットコンサルティングデスク」を東京・西新宿の本社内に設置し、

この1年間で、150件超の相談を受けている。

より密接なコンサル

 設置した背景には、何があるのか。同社は15年4月に東急コミュニティー、東急リバブル、東急リロケーションの3社の管理事業を統合して営業を開始。管理戸数規模が拡大したがゆえに、物件所有者と一層密接に、より幅広いニーズに応えるコンサルティング業務の強化を考えたからだ。更に、専門部署を設けることで、情報の集約化や専門知識を向上させ、業務を効率化させる狙いがある。

 従来では、個々の担当スタッフが相談に応じ、業務としての統一化を図れずに〝属人的〟な側面を否めなかった。また、建物の高経年化や物件所有者の高齢化が進展する中で、「修繕などで更に投資をすべきか」といった高度な判断を求められる場面が多くなったことも、理由にある。

ワンストップ対応

 また、何よりも、物件所有者からの「本格的な売却検討に入る前も気軽に相談に応じて欲しいといった声を受けた。ワンストップの対応によって安心感を提供する仕組みとした」(運営本部アセットサポート推進部長の松谷基氏)。

 法人オーナーには比較的見つけやすい相談先だが、同社が担当する約1500人の個人オーナーにとってそれは容易でない。同社では多岐に渡る相談内容でも、グループ各社へ具体的な対応をつなげられる強みと、「日々接する管理会社が売却相談に対応するという安心感があるのではないか」(松谷部長)と相談件数が増加する背景と見ている。

 では、グループ会社のない中小管理会社には難しい取り組みなのだろうか。「仕組みを作っても、他社との意思疎通や利害対立で難しい」(松谷部長)。だが、賃貸経営のパートナーの責任と自負があれば、物件所有者に喜ばれる資産運用サポートの道は、開かれるのではないだろうか。

 

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