寄稿 定期借家とDIY型賃貸借 空き家対策の処方箋は(上) 日大理工学研究所客員研究員沖野元
住宅新報 2017年9月12日 号 3面

沖野元氏
定期借家制度の施行から17年、アットホームや国土交通省など複数のデータを見ても定期借家契約の利用が5%を超えることはないという状況である。普及を阻んでいるものについては、一昨年上梓した拙書『賃貸の新しい夜明け』に詳細に著したのでここでその詳細は省略するが、最近、その普及に一筋の光明が見えてきた気がする。
今年に入ってから筆者に対して定期借家契約に関する講演やレクチャーの依頼が増えた。これは空き家問題が深刻化してきたことと関係があると思われる。820万戸の空き家の52%が「賃貸用の住宅」であり、にもかかわらず相続税対策でのいわゆる「節税アパート」が増加し、賃貸物件の間での競争が激化している。結果として更に空き家が増えるという負のスパイラル状態である。また、郊外などで放置されている木造戸建て住宅がいわゆる一般的な空き家と認識されているが、これは「その他の住宅」に分類されていて4割を占めている(出典=13年住宅土地統計調査)。
「その他の住宅」に分類される空き家の対策として、空き家再生事例も少しずつであるが、増えてきつつある。






















