紙上ブログ 不動産屋の独り言 377 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 世の中、どこで縁が生きるか分からないもの 日頃の行いが大事ということ
住宅新報 2016年11月15日 号 7面
立川競輪場の近くのアパートで外装リフォーム工事をすることになった。目の前の通りは一方通行で道幅も狭い。足場を組むときと外すときには、1日トラックをとめさせてもらわなければならない。
警察に申請して許可をもらう方法もあるが、普段、競輪開催中には駐輪場として使っているスペースに競輪を開催していない日を選んで停めさせてもらえるなら、通行止めなどで近隣に迷惑をかけないで済む。
申請はどこに
だが、そういう場合、どこにどうお願いしたらいいものかが分からない。警察に申請するしかないか、と諦めかかっていたところで、街である人に出会った。私が女房と入籍する前に8年間一緒に暮らしていた古いアパートの家主さんである。ただ、その方にはある肩書が付いている。
正式な名称は不明だが、市民から選ばれて立川競輪の何かの理事会の会長をしているのだ。かつては我々夫婦に「競輪場の特別室で観戦してみませんか」と声を掛けてくださって、2人して高い階にある特別室で見させてもらったことがある。
その特別室の中の飲み物とお菓子類は無料。普段は見られない上からの眺望はそれなりに面白いのだが、場内の歓声は全く聞こえず、聞こえるのはラスト1周半前から1周前にかけて鳴るジャン(打鐘)の音だけ。迫力がないからつまらないので、ま、一度経験すればいいかな、とは思った。タダで観戦させてもらうのも気が引けるので、特別室のドアの横の券売機で車券を買ったが全部外れた。
会長の紹介
それはともかく、「もしかして相談に乗ってくださるかも」と思い、ご自宅を訪ねてお願いすると、「それなら私から担当のKに話しておきましょう」とおっしゃって頂き、後で担当者に電話までしてくださった。後日、担当者に会いに行くと、「普通は一企業さんの利用ということであれば許可しないのですが、会長の紹介なのでお受けいたします」とのこと。非開催日にフェンスに掛かっている錠前の鍵の手配も丁寧にしてくださった。私がたまたま過去の入居者で、たぶん迷惑もかけてなかったのが幸いしたのだろうけど、人間、どこでご縁が生きてくるか分からない。
(坂口有吉不動産・社長)






















