紙上ブログ 不動産屋の独り言 375 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 勝手に募集条件を変える業者 家主にも不信感を抱く
住宅新報 2016年11月1日 号 7面
当社の募集物件が2カ月経っても決まらなかった。待ちきれない家主からは「自分で近所の業者に依頼して回りたい」と連絡を受けているが、それは困るので断っていたが、ついに手紙が来た。「来月中に決まらなければ、近所の業者に頼むから」とのこと。いくら早く決まってほしいといっても、まだ募集して2カ月である。
必死の取り立ても
それに、前の入居者が室内を相当に傷めていて、敷金では到底足りずに50万円ほど追加請求をしていて、なんとか払わずに済まそうとして逃げているのを追い掛けて私が全額を取り立てている。流し台の壁まで燃やし、フローリングも腐っていたから本来なら100万円以上はかかるが、それだと自己破産してでも逃げるだろう。
払えそうなギリギリの額で請求していて、払わせるために、正直、法律に抵触しそうなことまで私はやっている。
そこまでして回収したのに、たった2カ月空いただけで「他にも頼みたい」と言う…。情けない思いである。以前は、礼金1カ月で募集していたのを同業者が「法人契約だから礼金を3カ月にして、乗せた分を当社にくれ」と言ってきて、家主に話したら「私は家賃だけが入ってくればいい。あとは私のあずかり知らないこと」と言い切り、私の辛い胸中など全く察してくれなかったこともあった。なので、他社に頼むならそれでもいいと思っていたら、幸い、同業者から申し込みが入った。
既に家主は近所の業者にも依頼していて、それはまあいいのだが、当社の募集条件と内容が全く違っていて驚いた。
客は見ていた
当社は募集するに当たって家主とも相談して「礼金1敷金1、ペットを飼う場合は敷金2、更新料は新賃料の1カ月分」という条件で出していたのだが、他社は「礼金0敷金1、ペットを飼っても敷金は1のまま、更新料なし」という条件で出していた。問題はお客さんがその広告を見ていた、ということ。契約の際には当然にもめた。
家主の了解の下、礼金0、猫がいるけれど敷金は1のままにして、更新料は1カ月で納得はしてもらったが、後味はすこぶる悪かった。もしかすると、業者が勝手に条件を変えていたのではなく、家主も了解していたのでは、と疑っている。
(坂口有吉不動産・社長)






















