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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言 344 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 それも管理会社の役割では 明らかに気配りに欠けた対応

住宅新報 2016年3月22日 号 7面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

管理(賃貸・分譲)

 先日、客付け業者さんの案内で当社の管理物件に申し込みをして頂いたお客さん。契約にお越しになった際にこんな話をする。私が「近くなのに、なぜ転居なさるのですか?」と聞くと、「老朽化したからなんですけど、大家さんも子供に代変わりして、設備が壊れても直してくれなくなって、それで出ようかな、と思いました」とのこと。管理会社がどこか尋ねると、地元の老舗であった。私もよく存じ上げているが、入居者からの修理の依頼を放置するような無責任な業者ではないのだが…。

対処法知っているのに

 お客さんは家主にも管理会社にも何度もお願いしていて、いつまで経っても修理してくれないので不信感を持ってしまったようだ。たぶん管理会社は家主に対して何度も修理してくれるよう連絡していたとは思う。家主が動いてくれなかったんだろう。だが、私からすれば不思議な話だ。

 そういう場合に対処法があるのは、プロなら当然知っていなければならないこと。ましてや業界でも有数の老舗なんだし、似たようなケースは何度も経験しているだろうに…。

 これ、入居者が悪質なクレーマーであったり、極端に人柄が悪かったりしたなら同業者として分からなくはない。あるいは明らかに入居者が壊したと分かるものなら仕方ない。ただし、その場合でも「あなたの責任と負担で直してください」と連絡はしなければならないもの。お会いした感じでは、話も分かるし常識的な人だと思えた。あきらめて退去する選択をしたくらいなのでクレーマーでもないだろう。手遅れではあるが、こうアドバイスした。

費用は相殺

 「そういう場合、管理会社か家主に、文書で適当な期限を切って修繕の依頼をして、その中に『期限までに修理がされない場合は当方で業者に依頼して修理してもらい、費用は次の家賃から相殺させて頂きます』と書いておけばいいのです。間違っても、予告なしに勝手に業者さんに依頼しないでくださいね。内容証明郵便で送らなくてもかまいません。FAXでもいいです。必ずご自身も記録や控えはとっておいてください。そうすれば家主や管理会社に対抗できますから」と。その管理会社は気配りに欠けていたと思う。

 (坂口有吉不動産・社長)

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