DIY普及へ「ひな型」も 相談体制充実でストック活用 賃貸住宅対策室長二俣芳美氏に聞く
住宅新報 2015年9月15日 号 7面

二俣賃貸住宅対策室長
国土交通省は15年4月、住宅局住宅総合整備課に賃貸住宅対策室を設置した。設置から半年が過ぎ、対策室で行っている施策やその進行状況について、二俣芳美賃貸住宅対策室長に話を聞いた。 (聞き手・近藤 隆)
――賃貸住宅対策室で行っている業務について教えてください。
「住宅総合整備課には以前から賃貸住宅対策官が置かれていて、私も昨年9月からその役職に就いていた。その後、民法改正など新たに対応する問題や喫緊の課題である空き家対策問題など民間賃貸住宅における問題の多様化を受けて設置したものだ」
「対策室で行っている主な業務は、DIY賃貸借の普及と民間賃貸住宅におけるトラブル防止だ。DIY賃貸借は13年度に戸建て空き家の流通促進を目的に指針を発表したもので、当時は借主負担型として、貸主は修繕費用なく現状有姿で賃貸するものだった。その後、14年度には、貸主が一部負担するものやサブリース形式で資金を調達する契約も示した」
「今年度については、DIY賃貸を更に普及するために契約書のひな型作成に取り組んでいる。宅建業者さんも、『ひな型がないと、なかなか契約に結び付けない』というので、最重要課題としている」
――民間賃貸住宅のトラブルは、何が多いのですか。
「一番多いのは、原状回復に関するものだ。トラブル防止のため、ガイドラインや標準契約書があるのだが、利用が少ないのが現状だ。他にも、賃貸借における苦情は多い。そこで、賃貸借に関する相談業務をサポートする。宅建業者や自治体、消費生活センターなど相談業務に携わる人への研修会を16年1月から2月にかけて全国で開催し、相談担当者のスキルアップを図る予定だ。民法改正や相談者への接遇などアドバイスが適切に伝わるよう、グループ討議など様々な方法で研修の成果を上げていきたい」
「多世代交流型住宅ストック活用推進事業として、建築士など専門家や専門業者・地方公共団体の担当局・NPOなど地域コミュニティの担い手などとの連携で体制を整備し、個人住宅の有効活用や住み替えなどに関する相談窓口も設置する。中古住宅の所有者や地域内あるいは二地域居住の住み替え検討者などからの相談を受け、情報提供やライフスタイル提案などを行うものだ」
――民間賃貸住宅の現状をどう見ていますか。
「今後世帯数が減っていくことを考えると空室増が本当に大きな問題だ。ただ、見方を変えると入居者から見て、魅力あるものにどうしていくか。ペット可物件やコミュニティ賃貸あるいは子育てサポーターなど、様々な形態の民間サービスが充実していくことが重要だ。併せて、トラブルを減らしていくこと。地道にコツコツと、しかし着実に減少させていくことを目指している」






















