紙上ブログ 不動産屋の独り言 310 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 突然の連帯保証人の降板 家主の人柄に救われる
住宅新報 2015年7月14日 号 7面
多摩郊外で入居者を募集していたアパートに中年姉妹から申し込みが入った。他社からの紹介で決まったのだが、用があって電話すると、とても腰が低くて感じがよい。ご両親は既に亡くなっていて、適当な連帯保証人が見つからずに難儀していたが、どうにか叔父が引き受けてくれることになった。審査を通して契約を済ませ、まだ届いていない連帯保証人の保証承諾書と印鑑証明書が郵送されてくるのを待っていたが、1週間しても届かない。昨日には入居もしているから、信用はしているが少し不安になってきた。
憔悴の声
数日して、入居者から電話が入った。憔悴(しょうすい)したような声であった。「連帯保証人を引き受けてくれる約束になっていた叔父が、『やはり断りたい』と言ってきたのですがどうしたらいいでしょう」と聞く。何でも、若い頃、連帯保証人になって大変な思いをしていて、それを思い出して怖くなったようだ。気持ちは分かるがそれはない。審査は連帯保証人の内容も当然に加味されて行われているから、本来なら一度通した審査であっても白紙に戻さなくてはならないくらいの話。その姉妹はワケあって保証会社は使えない。しかも既に入居もしているのだ。だが、策はあった。






















