紙上ブログ 不動産屋の独り言 284 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「3歳から知る娘さんの引っ越し」 可能な限り「お役に立つ」
住宅新報 2015年1月13日 号 6面
度々(前号も)こちらで紹介している20年来のお客様である娘さん。引っ越し当日の朝になって慌ててメールしてきた。「バタバタしていて、昨日のうちに管理会社さんに移転先の鍵をもらいに行けなかったのですが、どうしたらいいでしょうか?」とのこと。
その日は水曜日だから当社も管理会社も定休日である。引っ越し業者は朝一番で来るし、何やかんやで本人が管理会社に鍵を取りに行っている余裕はない。それで困り果てて相談してきたのだが、幸いにも鍵はまだ現地に設置されていたので大丈夫だった。
現地設置の鍵で
私が直ぐに「鍵はまだ現地に置いてあるので心配いりませんよ。鍵は○○にありますので、それを使ってください」と返信すると安心してくれた。これも幸いなことに、当社で鍵交換して差し上げることになっていて入居後の早い時期に交換する予定だったので、現地にある鍵がそのまま使えたのだ。そのため荷物が届いたのに締め出される、ということは避けられる。しかし、まだ問題は残る。通常、引っ越し業者のトラックのほうが先に移転先に到着するからだ。
まさか、引っ越し業者に「鍵は○○に置いてありますので、それで開けて作業していてください」とは言えない。いくら直ぐに鍵を交換するとしても、である。
いつも通り、休日の水曜日は近くのファミレスにモーニングを食べに行ったが、帰りに移転先に寄って玄関の鍵を開けて、その鍵を室内のある場所に隠し、それを娘さんにメールで伝えた。
休日業務でも…
基本的に、私は週に一度の休みである水曜日には仕事を一切しないことにしている。自宅から徒歩3分の店の前でさえ通らずに大回りすることもあるくらいだが、その娘さんのお役に立てるならいとわない。差別待遇しているつもりはないが、これがもし他のお客さんであったなら、あるいは物件が遠方だったなら鍵の場所を教えるだけで終わっていたと思う。正直、お客さんによって私がどこまでするか、できるか変わってくるものだが、お礼のメールから安堵と感謝の気持ちが伝わってきて、私も気分がよい休日になった。
(坂口有吉不動産・社長)






















