地域密着探訪 ERA土屋不動産(宮城県仙台市青葉区)
住宅新報 2009年6月23日 号 4面
連載: 地域密着探訪
8割空きビルを満室に
仙台市中心部のアーケード街「マーブルロードおおまち」。ERA土屋不動産は、通りの一角に店舗を構える。
店内には、物件資料が1枚も張り出されていない。その代わりに、通常の不動産店舗では見かけないものをいくつか目にする。
例えば「ペット一時預かり設備」。同店に立ち寄る顧客に、商店街を買い物する際に利用してもらう目的で設置したという。
こうした一風変わった取り組みは、『不動産会社は街の情報拠点』という経営理念を具体化したもの。土屋勝裕代表は、「7つに分かれるアーケード街の中でも、ここ大町には活気がある。地域の人に気軽に立ち寄ってもらうスペースとして開放することで、街おこしに貢献したい」と意図を語る。
そうした地域に根差した視点は、92年の開業以来、徐々に培われたという。
生まれは仙台だが、中学生以降15年間を県外で過ごした。その後、実家に戻り開業したものの、「しばらく仙台を離れていたので友人もいない。完全によそ者だった」と振り返る。
だが、案件1つひとつに親身な対応を重ねるうち、「『ゴルフクラブはどこが安いか』といった話から夫婦関係に関する内容まで(笑)」、業務を超えた相談を受けることも増えたという。顧客との信頼関係が、地域への愛着につながっていったようだ。
売買仲介が主力だった業務も、95年からマンションを中心とする建物管理へシフト。建築企画から手掛け、「建物を総合プロデュースする醍醐味を知った」と話す。管理や建築部門などに関しすべてのメニューを揃える点に魅力を感じ、03年にERAに加盟。現在は、自社ビルのコンサルティング業務に軸足を置く。
6月1日には、改装を手掛けたテナントビル「PARMCITY131」がアーケード内にオープン。「美と健康」「仙台の伝統」といったテーマをフロアごとに設定するなど趣向を凝らし、8割が空室だった物件を満室にした。また、6階には街おこしの主催者などが集まるスペース「おおまちルーム」を設けている。
「最近のテナントビルにはポリシーが感じられない。まず、街の人たちが何を求めているかを把握することが大切」(土屋氏)。
『地域コンサルタント』としての手腕に、今後も期待がかかる。






















