紙上ブログ 不動産屋の独り言 266 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「管理の意味を誤解している家主(1)」 責任の所在、理解あるのか…
住宅新報 2014年9月2日 号 6面
多摩郊外のアパートの敷地に、単身者用の冷蔵庫と粗大ゴミが不法投棄されていると住人から連絡があった。家主に連絡すると「リフォーム業者さんが片付けてくれないかしら…」と言う。もちろん、タダでということではないのだが、私にも「こっちに来るついではないかしら?」と聞く。
片道50分の距離
店から物件までは車で50分ほどかかる。近所ならなんてことはないが、正直見に行くには辛い距離である。それで「ついではないので、業者さんと相談してみます」と回答したら、翌日家主から電話があって怒っている。
「昨日の件、どうなりましたか? オタクに管理料も払っているのに人任せにして自分では見に来ないんですか?」と言うのだ。家主は勘違いしている。当社が管理家賃の中からいただいている5%の管理料は家賃の管理料であって、アパートの管理料ではない。家賃管理料はいただいているので、家賃の振り込みがあってもなくても月末か月初には立て替えてでも家主に送金していることを柔らかく説明したのだが、納得はしてくれなかった。そもそも、このようなことは管理会社の仕事ではなく、家主が自分の責任ですること。人が動けば経費が掛かるのだし。
家主は一駅隣に住んでいるがアパートには行きにくい事情があって、私も承知している。なるだけ家主が行かないで済むよう今までも配慮してきたつもりである。以前は中型のオートバイが捨てられていて、それを片付けたことがあるし、今回も一週間以内を目途に片付けるつもりでいたのだが、「遠くて来られないなら近所の不動産屋さんに管理をお願いするけど」と言われてさすがに頭にきた。
まるで脅迫
これではまるで脅迫である。だが怒ったら今までの20年間の付き合いもおしまいになる。グッと抑えて「では明日にでも処置します」と答えた。冷蔵庫はリサイクル法の絡みで粗大ゴミにはならないから業者に頼むことにはなるだろう。私は、本来は家主の責任ですべきことを私が無償ですること自体は何とも思わない。問題は家主が「どちらの責任なのか」をしっかり分かっていてくれるかどうか、と思っていたのだが…。(続く)
(坂口有吉不動産・社長)






















