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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言 255 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「アパート向かいの狂気の隣人」 解決まで遠い道のり

住宅新報 2014年6月10日 号 6面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

管理(賃貸・分譲)

 夜逃げした中国人一家の後に新しい入居者が5月から入居したのだが、大変なトラブルに遭っている。

 アパートの南側には戸建ての二世帯住宅があって、1階には86歳になる老夫婦、2階には53歳の独身の息子が暮らしている。息子は一度も結婚したことがないとのこと。その家の窓から当社管理のアパートのバルコニーまでの距離は5メートルもない至近距離。1階はブロック塀があるので遮られているが2階は双方の窓が正面で向き合っている状態。独身の息子はその距離から中国人夫婦に「中国人は日本から出て行け」と大声で叫んだり、真夜中にサーチライトで投光していた。中国人夫婦はその度に警察を呼んでいたが、警察が出向いても息子は家から出てこない。

光当て、叫ぶ

 その中国人が夜逃げした後はしばらく静かだったので、ただの嫌がらせだったのかと思っていたら、新しい入居者に対しても「出て来い」と叫んで窓に強い光を当て始めたようだ。夜中に私の携帯が鳴り、「どうしたものでしょうか」との相談があった。以前の出来事でも尋常ではなかったのだが、そうなると精神異常者である。翌日、私がその家に出向くと、出てきたのは年老いた母親。「私には関係ありませんので」と言うが、「ああそうですか」と引き下がるワケにもいかないもの。被害の状況を詳しく話すと、「後で主人から電話させます」と言うので、一旦帰社して待っていたら、夕方、ご主人から電話があった。

息子かばう両親

 当方には何人も証人がいるが「それは他に酔っ払いがいて騒いでいるのであって、うちも迷惑を被っている。息子はそんなことはしていない」と言って、両親はあくまで息子をかばう。私が「このままではアパートの住人が皆出て行ってしまいます。もしお宅の息子さんが原因だと証明されたらその時は損害賠償なども請求されることになります。今のうちに息子さんとよく話をしてみてください」と言うと、「じゃあ、今度家に来て息子と話してくださいよ」と言う。願ってもない話ではあるが、恐らく息子は承知しないであろう。話す機会をもらえたとしても相手は正常な人間ではない。解決までの道のりは気が遠くなるくらい長い。

   (坂口有吉不動産・社長)

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