〈1面続き〉既存住宅売買瑕疵保険の近況 税制優遇の影響は 木造築20年超の新耐震に照準
住宅新報 2013年7月16日 号 6面
瑕疵保証サービスの導入に当たり、電鉄系企業や中堅規模の地域業者などが採用している既存住宅売買瑕疵保険。13年6月末時点での申し込み件数は、売主業者タイプが8016件、個人間売買タイプが1916件となっている。
13年度の税制改正では、中古住宅の取得に係る税制特例の要件に、同保険への加入が追加された。具体的には住宅ローン減税、居住用財産の買い換え特例、贈与税の非課税措置、登録免許税・不動産取得税の軽減措置の5つ。従来通り、木造建築物で築20年以内、非耐火建築物で築25年以内の築年数要件を満たしている物件については各種税制特例が受けられる。その年数を超えると、耐震基準適合証明書の取得が必要だが、取得していなくても瑕疵保険に加入していれば、特例の対象に含まれることになった。
この措置により、特に普及スピードが速いとは言えない個人間売買タイプで、好影響は表れているか。
瑕疵保険を提供する保険法人からは「極端ではないが、少しずつ増えている」(ハウスジーメン管理本部保険管理部商品開発・管理G江間隆太グループ長)、「検査事業者や仲介業者からの問い合わせは多いが、実際の利用件数増にはまだ結び付いていない」(日本住宅保証検査機構の特販統括部・駒井幸治統括部長)といった声が聞かれた。
保険を顧客に取り次ぐ立場の仲介業者の反応も様々。一般的に築年数が古いほど検査での適合率も下がるため、「『減税が使える』とPRしたいが、(不適合の可能性を考慮すると)言いにくい」と話す事業者もあった。一方で、減税効果に期待する向きもある。5月半ばに瑕疵保険を基にしたサービスを開始した京王不動産は、対象物件の築年数要件を、戸建てで築25年以内に設定。保険加入が住宅ローン減税の要件に入ったことを考慮したといい、主に築20~25年の物件での需要を見込む。実際に開始後間もなく、築22年の戸建て住宅で申し込みを受け付け、検査の結果は適合だったという。
〝小額短期〟タイプ 売主業者向けで認可へ
また、現行の瑕疵保険は保証期間が5年間、保証上限額が1000万円の1種類のみだが、売主業者タイプの保険で新しく〝小額短期版〟が新設される予定だ。宅建業法で定められている売主宅建業者の瑕疵担保責任期間に合わせて、保証期間は引き渡し後2年に設定される見込み。国交省によると、7月中にも認可する見通しだ。一方、国交省は個人間売買タイプでも同様に小額短期版の商品化を検討しているが、具体的な時期は明らかになっていない。
個人間売買タイプの付保に係る検査は、保険法人と検査事業者がそれぞれ実施することが原則。この点が保険料の負担増につながり、また日程調整の手間といった点で取引の阻害要因にもなり得るため、保険の選択が敬遠される一因になっているとの指摘は多い。こうした実態を踏まえ、国交省としてはまず『二重検査』の部分を整理したうえで、少額短期版の認可作業に着手したい考えだ。






















