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プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識 100 計量換気システム 花粉症には救いの神

住宅新報 2012年11月27日 号 4面

連載: 知って得する建物の豆知識

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計量換気システムの空気分配器

計量換気システムの空気分配器

 歴史的に見て、日本の住まいは開放的に作られてきました。現在でも農村地帯に行けば、障子などが開け放たれた住まいを目にすることができます。国土環境的にも、主たる文化圏が温暖な太平洋側地域、つまり亜熱帯に近い気候にあったため、「住まいは夏をもって旨とすべし」というような開放的居住文化が根付いたと考えられます。

戦後一般化した高気密

 戦後の一般的な住まいも、十分に開放的でした。木製建具の隙間からは北風が容赦なく吹き込み、薄いトタン屋根を焦がす夏の日射は室内を、蒸風呂のようにしていたのです。その後、日本経済の復興と同時に激しい都市化が進行し、住まいは次第に閉鎖的になっていきました。

 また、2×4工法や大型パネル工法が導入されたことで、北米式の高気密の住まいへの関心が高まりました。更に、エアコンが一般化し、省エネという社会全体のニーズが住まいの気密化を促進してきたといえます。これに伴い、高気密高断熱住宅仕様も一般化してきました。

 高気密高断熱の理想は、魔法瓶のような住まいです。気密性の高い二重サッシが使われ、壁体の内部には断熱材が隙間なく充填され、いったん作り出した冷気や暖気などのエネルギーを、決して無駄に放出しない仕組みが考えられています。

換気でシックハウス防ぐ

 高気密住宅では、建材や生活財から発生する有機性のガスや、冷暖房機から発生するハウスダスト、ダニやカビから発生するアレルギー性物質などが、人体に及ぼす影響が問題になります。いわゆる『シックハウス症候群』です。構造用合板などからも微量とはいえ、有害ガスが放散されます。

 更に、プラスチック製品や各種スプレー、ビニールコーティングされた印刷物、コンピューター等からも微量ながら有害ガスが発生します。消費者は建材ほどは気に掛けていませんが、実はこれらから発生する有害物質も、高気密住宅では問題になるのです。

 当然このような住宅には、特別な換気装置が取り付けられ、〝必要にして十分〟な換気が行われる必要があります。これを行うのが『計量換気システム』です。室内の空気が人の呼吸や喫煙、調理、放散ガスなどによって汚染された度合いに応じて、換気を24時間自動的に行います。換気は全熱交換機を経由して行われるので、換気に伴う熱ロスはわずか(熱交換率が70~80%)です。また、法律の改正により居室の換気が義務付けられ、換気回数0.5回/時(2時間で居室全体の空気が入れ換わる)レベルの性能が求められますが、これにも自動的に対応します。

 計量換気システムは、空気の出入り口に取り付けられたフィルターで外気を濾過しているので、室内が極めてクリーンになります。スギ花粉やディーゼル粉塵などもフィルターで濾過されるため、花粉症の方には大きなメリットがあります。

 (建築家・中村 義平二)

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