60歳からの住宅ローン【リ・バース60】累計申請件数1万件突破

様々な不動産情報が盛り沢山!

プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識 (91) ヒートブリッジ 細い、強靱な構造体でつなぐ

住宅新報 2012年7月17日 号 4面

連載: 知って得する建物の豆知識

管理(賃貸・分譲)
構造熱橋

構造熱橋

 熱は常に、高い方から低い方へ流れます。建築物の断熱が魔法瓶のように全く均一であれば、時間の経過に従って一定の熱が均一に失われていくだけですが、そのような断熱方法は現実には存在しません。

 断熱性能は、建築物の部位によって偏在しています。その結果、先に述べたように断熱性の低い=温度の低い部位に向かって熱が流れてしまいます。例えば木造なら、建物の角部のほか柱・梁で断熱材が切れており、熱はその部分から逃げていきます。コンクリート建築の外断熱方式でも、庇(ひさし)やバルコニー部などの凸部では断熱が切れており、構造体や配管を伝わって熱が逃げます。

断熱の切れ目で結露

 この熱が伝わりやすい=逃げやすい部位をヒートブリッジ、サーマルブリッジ、熱橋、冷橋等と呼びます。特に鉄筋コンクリートの壁や床で、室内側と外側が直接つながっている部分を『構造熱橋』と言います。

 熱が逃げると、その部分の温度が他よりも低くなり、結露が起きやすくなります。いったん結露すると、熱をよく伝える水分は断熱材などに浸透し、周辺の断熱性能を一気に低下させます。このサイクルに入ると、最初は少量の水分でも、最後には広範囲の断熱性能を損なうことになります。

外断熱の本領発揮

 サーマルブリッジが起きやすい内断熱工法に比べ、外断熱では起きる範囲が少ないため、約20%の断熱性能アップ効果が得られます。特に、熱の良導体である鉄骨を構造に使った建築の外断熱工法は、非常に効果的です。日本の工業化住宅で最も多い工法は鉄骨系構造で、多くは木造の軸組工法を鉄骨に置き換えています。外壁内壁を問わず毛細血管のように鉄骨が張り巡らされ、ヒートブリッジだらけとも言えますが、外断熱工法なら断熱材で構造体全体が包まれるため、ヒートブリッジの起きる場所は限定されます。

 鉄筋コンクリート構造では、マンションのような建物だと庇やバルコニーが出っ張り、そこが『構造熱橋』になりやすく、熱ロスだけでなく結露による断熱性能の低下及び躯体の損傷を引き起こします。

 この対策としては、ヒートバリアを構成する必要があります。様々な提案がありますが、基本は躯体と出っ張り部の間に断熱層を設け熱的に切り離す、すなわちヒートブリッジを作らないと言うことです。最も簡単な方法は、バルコニーの下に断熱材で包まれた受け構造を設け、その上にバルコニー本体を載せる方法ですが、これは時間が経つと受側の断熱材が切れてくるため、耐久性に問題があります。

 最も効果的な方法は、バルコニー+断熱材+躯体という構成を取り、バルコニーと躯体はボルトやプレートなど細くて強靭な構造体でつなぐことです。これによって、最小の熱ロスでコンクリート構造の外断熱が成立します。

(建築家・中村 義平二)

キーワード

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス