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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A ストック時代の空き家問題 住宅質向上への試金石

住宅新報 2012年7月3日 号 12面

連載: ニュースが分かる!Q&A

管理(賃貸・分譲)
再開発を控えて空き家になった住宅(都内で)

再開発を控えて空き家になった住宅(都内で)

 デスク 6月5日号1面で「空き家『大量発生前夜』」という空き家問題の一端を紹介した記事を掲載したところ、「既に急増中」という指摘があった。郊外ニュータウンなど、今はまだ高齢者夫婦が住んでいる街で、近い将来、住人がいなくなる家が急増するという意味だったが、ご指摘はごもっともだな。

 担当記者 先日も都内の中堅不動産会社のトップが言っていました。「昨年まで90%台を確保していた賃貸マンションの入居率が、今年は80%台半ばまで落ちた。回復の兆しは見えない」と。景気低迷で給与所得が減少し、需要者の家賃負担能力も減退しているから、賃貸住宅での空き家問題は現在進行中です。

 デスク 空き家問題には、まず賃貸市場の圧迫要因や、商店街などの地域活性化を阻害すること、更に社会ストックを活用し切れていないという経済的損失の問題が挙げられるが、地域にとってもっと切実なのが防犯・防災上の問題だ。住み手がいなくなった空き家には、ゴミが不法に投棄されたりする衛生上の問題や、不審火などの事件が発生する確率が高まるし、豪雪地帯では家屋倒壊の危険もある。地元にとっては頭の痛い問題なのだ。

 記者 そう言えば、都内でも一軒家の空き家が結構目に付きます。相続問題が原因で、解決するまではそのままになっているという話も聞きます。それがある日突然、解体されて、建売住宅の販売現場になっている。東京など大都市だと、時間が解決してくれると思いますが…。

 デスク それはあくまでも今のところだ。少子高齢化がもっと進むと、所有者と連絡が取れなくて手がつけられなくなるだろうな。対応が難しくなる。地方都市や過疎地域の空き家対策が大変なのはそこだ。商店街などでは、観光案内所や集会所、デイサービスセンターなどに活用するケースもあるが、多くは活用・再利用が難しい物件だ。田舎暮らしで、都会の人が移り住む例もあるが、地域の受け入れ態勢などが整っていないと、解決策にはならない。

 記者 とすると、空き家は活用するより解体して空き地にした方がいいと。

 デスク それが自治体の本音だろうね。特に防犯・防災上の問題が懸念される場合は。ただ、解体の了解を取り付けることと、費用負担の問題もあるから簡単ではないし、これから急増するというから、悠長に構えてはいられない。ところで、住宅ストックと空き家はどうなっていくとみられているのかね。

 記者 総務省の住宅・土地統計調査によると、08年10月時点の全住宅総数は5759万戸で、このうち空き家は757万戸(03年調査659万戸)、空き家率は13.1%(同12.2%)と過去最高水準でした。その後の景気や不動産市況を見ると、状況は改善ではなく悪化していると見るべきでしょう。そして今後の高齢化や人口推移です。国土交通省が各種統計などを基にまとめた「長期的な人口の推計」によると、我が国の人口は今後、30年に1億1522万人(同31.8%)、50年には9515万人(同39.6%)に減少する見込みです。

 デスク 何となく、衰退に向かうような元気が出ないイメージだが、住宅が余るということは、豊かな住生活が可能であることを示しているわけだ。良質な住宅を造っていくことはもちろんだが、これからは既存ストックを選別しながら改良していくことが重要だ。技術を磨き、大きな産業に育てていくなら、明るい展望も開ける。空き家問題への取り組みはと将来への試金石と考えるべきなのだ。

 記者 そうですかねえ。

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