記者A 不動産投資インデックスっていうのが今夏に公表されるんだって? そのインデックスって何?
記者B 不動産投資から得られる収益性を示した指標だよ。主に、一定期間の賃料収益などから得られるインカムゲインを資産価値で割って出した収益率(インカム収益率)と期中の不動産価値の変動を期首の資産価値で割った収益率(キャピタル収益率)を合計した収益率で示すんだ。
A 何に使うの?
B 市場のモニタリングや投資家が不動産投資のリスクリターンの評価を行う時とかかな。
A それが今夏に公開されるんだね。
B 正確には、これまで公表していたものをより充実させて公開するんだ。不動産証券化協会(ARES)っていう業界団体が公表する予定だよ。
A 何をどう充実させるの?
B これまではJリートが保有する物件のインデックスを作成して、公表してきたのだが、今回の拡充では、これに加えて、私募ファンドの保有物件も公開の対象にする。公開に向けて既に、ARESは私募ファンドの運用会社10社と情報提供について合意しているよ。
A 私募ファンドの保有物件を対象にするのはなぜ?
B 簡単にいえば、投資市場の透明性を上げるためかな。主にインカムゲイン獲得を期待する投資をコア投資と呼ぶんだけど、ARESの推計によると、このコア投資市場は現在、約25兆円なんだ。Jリート保有物件だけだと、このうち8兆円しかカバーできない。市場規模の大きい、私募ファンド物件を対象にすることでこのカバー率を向上させるんだ。
A コア投資市場の透明性を向上させるのはなんで?
B 長期的に運用される資金を呼び込んで、市場を拡大するためだよ。特に年金基金の流入を進めたい考えなんだ。
A ということは、年金基金って、今は不動産投資に入ってないの?
B ARESによると、公的年金はゼロ。企業年金からも一部機関だけなんだって。この背景にあるのが、市場の不透明感。インデックスの整備が十分でないことが課題として指摘されているんだ。インデックスのような定量化されたものがないと、投資によるリスクやリターンを踏まえた合理的な意思決定が出来ないからね。
A 今回の拡充で、コア投資市場のカバー率はどれくらいになるの?
B 4割くらいかな。
A それでも、4割程度なんだ。
B そう。だからARESは、現在合意している10社のほかにも、情報提供を受ける運用会社を順次、拡大する考えだよ。今、合意している10社は年金基金からの受託実績がある私募ファンド運用会社。今夏の公開に向けて、まずは長期資金の代表格である年金基金を対象に、っていう考えがあるんだね。
A 今後のインデックスの充実が投資市場の発展につながるといいね。























