ニュースが分かる! Q&A 都が住宅マスタープランを改定 空き家活用し多様化に対応
住宅新報 2012年4月17日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
東京都は3月に新しい住宅マスタープランを発表した。防災対策やエネルギー問題という喫緊の課題に対応しつつ、少子高齢化やストックの老朽化といった長年の課題にも対処していく今後10年間の住宅政策の方向性を示す内容だ。住宅を扱う民間事業者にとっても、今後の経営や事業の道しるべとなる。
上司 東京都が5年ごとに改定する新しい住宅マスタープランができた。国が策定する住生活基本法に基づく住生活基本計画が昨年度見直されたのに伴って、独自の見直しを加えて、今後10年間の都の住宅政策としてこのほどまとめたものだ。国の計画に基づいているので、実施年度は昨年度から20年までの10年間。日本最大の人口を抱える東京のマスタープランだから、電力問題をはじめ省エネルギーや少子高齢化、ストック活用、更には空き家問題など社会や世相を反映した住宅・不動産のニーズや問題解決のヒントがいっぱい詰まっているといっても過言ではないね。
部下 どんな内容なんでしょうか。
上司 これからの10年間に重視する項目として、安全・安心、ストック活用、居住ニーズの多様化、高齢者対策などの住宅セーフティネットの4つの視点から様々な施策が示された。
震災後の計画改訂ということで、やはり安全・安心な居住環境づくりが筆頭に掲げられていた。住宅単体の質の向上はもちろんだが、街全体にも高い防災機能やエネルギー利用のネットワーク、高い環境性能を持たせることで良好な市街地の形成を促進していくということだ。また生活や家族形態が多様化していることに対しても、地域や社会で支え合える居住環境づくりの推進が上げられている。
2つの目の住宅ストックについては、耐震化を含めて共同住宅の適切な維持・管理、都市づくりにおける都営住宅や公営住宅の有効活用、空き家対策などが取り組むべき課題に上がっている。
部下 空き家問題はよく新聞などでも取り上げていますね。確か賃貸住宅の空き家が相当な数になっているという話でした。
上司 総務省の調査だと、08年に都内の空き家は75万戸あり、5年前から約8万戸増えているそうだ。このうち賃貸用の空き家は約50万戸ほどで最も多い。長期不在の空き家も20万戸あり、こうした眠っている資源を有効に活用していくこともプランに盛り込まれている。
部下 空き家をどうするんですか。
上司 都の推計では、例えば20万戸弱ある長期不在の空き家のうち半分程度は利用できるのに全く活用されていないそうだ。比較的面積の大きい住宅も含まれているので、高齢者向けや子育て世帯向けに改修工事を支援してくれる国の事業を活用するなどで、流通を促したり、高齢者向けのグループリビング用への改修費用の一部を助成するモデル事業も始めるそうだ。
部下 そのほかにはどんな点が問題や課題になっているんですか。
上司 居住ニーズの多様化が進んでいるのに伴って、消費者が安心してニーズに合った住宅の取引ができる市場づくりと、入居制限を受けやすい高齢者世帯や低所得者層などいわゆる住宅弱者対策も課題に上がっている。公民を問わず様々な主体が互いに連携し合うことでこうした課題、難題に対応できる仕組みづくりを推進していくということだな。
部下 部長の言う通り、普段から耳にする住宅問題や社会問題がやはり課題になっているんですね。
上司 行政と我々のような民間の住宅会社とではスタンスは異なっても、生活者のニーズに応えるという点で共通することも多い。これからの事業や企画の参考になるはずだから、君もこのマスタープランにしっかり目を通しておいてくれるか。
部下 分かりました。






















