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プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識(76) ペレット 「岩手型」に注目

住宅新報 2011年12月13日 号 4面

連載: 知って得する建物の豆知識

管理(賃貸・分譲)

 最近はバイオマスという言葉をよく聞きます。生物由来のエネルギー成分という意味で、メタンガスを利用する動物のふん尿、燃焼させる屑わた、植物性油脂などを指します。中でも注目を浴びているのが木質バイオマスで、具体的な製品は「木質ペレット」です。ペレットとは木屑やオガ屑、間伐材チップ、廃材などを粉末化して、薬のカプセル程度の大きさの粒に整形したものです。このペレットを燃焼させるストーブが、カーボンバランスの視点から人気を集めています。

■燃焼によるデメリットなし

 石油製品を燃焼させるとCO2の純増加になりますが、ペレットを燃焼させてもCO2は増えません。それは、木質が光合成によって作られているからで、木質=CO2+水+太陽エネルギーという図式が成立します。これを燃焼させると木質+酸素=熱エネルギー+水という変化になり、元からあったCO2の量は変わらないことになります。

 木質の燃焼とは木材を媒介にした太陽エネルギーの利用であり、これを「カーボンバランスがとれている」と言います。植物などは、放置しておけば腐敗しながらゆっくりCO2を排出するので、窒素酸化物や硫黄酸化物の排出も極微量であることを含め、ペレットを燃焼させることのデメリットはどこにもありません。

 ペレットの発熱量は1キロ当たり4千~5千キロカロリーで、熱効率は高いのですが灯油に比べ3倍の容量があり、貯蔵場所がネックです。しかし、数カ月で腐敗する灯油に比べ数年の貯蔵に耐えるペレットは、工夫次第で住まいの中に貯蔵場所を確保できそうです。

■「高価」「大型」ネックを解消

 ペレットストーブは輸入品を含め、各種多数販売されていますが、高価なことと大型であることが普及を妨げています。本体が40万円前後、煙突などの工事費が10万円前後掛かり、総体で50万円程度必要になります。その中で価格・サイズとも半分程度に抑え、日本の住宅に適した性能にしようという試みが「岩手型ペレットストーブ」です。

 これは特定の会社のモデルではなく、「岩手型」という共通仕様で、複数のメーカーがバリエーションモデルを製造・販売しています。特徴は樹皮系ペレットが使えるということです。間伐材や製材では樹皮が大量に出ます。これをペレット化しても、輸入ペレットストーブでは対応できなかったのですが、岩手型では樹皮が混入した「全木ペレット」に対応できます。

 また、FF式(強制給排気式)の「岩手型」も商品化されており、都市部の煙突の取り付けが難しいマンションなどでも設置が可能です。運転も自動化されたものがあり、ガスや灯油ストーブ並みの安全性が確保されています。価格はメーカーによりますが、18万円から25万円辺りまで下がってきています。

 何より、ゆっくりと燃えるストーブの炎を眺める贅沢は、価格に代えられない魅力があります。

 (建築家・中村義平二)

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