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スタンダード会員限定広がる市場 マンション大規模修繕 「改修業種」 新設求める動きも

住宅新報 2011年12月13日 号 4面

管理(賃貸・分譲)

 首都圏における11年のマンション供給戸数は、前年に引き続き4万戸を超える見込み。近年は減少傾向だが、ストックは毎年確実に積み上がり、築30年を超える物件も100万戸に達した。需要が確実視される大規模修繕を巡り、「改修業」の確立を目指す動きが一部で強まっている。

 管理組合の全国組織であるNPO法人全国マンション管理組合連合会(NPO全管連、京都市下京区)が音頭を取り、「マンション再生技術懇談会」が今春から定期開催されている。参加するのは、高層住宅管理業協会のマンション診断センターを始め維持修繕に携わる9つの事業者団体。全管連が中心となって国に制定を働きかけている、「マンション再生法」の条項案を検討するのが目的だ。

 具体論は今後詰めていく予定。意見の相違があっても、「改修技術者の養成」というテーマがぶれることはない。根底にあるのが、「改修と新築は根本的に異なる」という共通認識だ。

 参画団体の1つ、マンション計画修繕施工協会(MKS、東京都港区、坂倉徹会長)の高橋修身副会長は、「改修はサービス業」と説明する。「工事中も居住者の生活は継続する。あいさつや身なりを整えることはもちろん、居住者の安全と健康に最大限注意を払わなければならない。そのため、施工条件や使用する溶剤などに制約が生じる場合もある」(高橋氏)。

 居住者への配慮が足りず、現場を新築用の防縁シートで覆ってしまうといったケースが実際に起きているという。建物全体が真っ暗な状況で、居住者が普段通り暮らすことは難しい。事業者が新築と同じ感覚を持ち込んでしまったことによる弊害と言える。

 既存の外壁塗装をはがす工程など、工事そのものも新築とは異なる作業ばかりだ。「マンションの個別状況に合わせて工法、仕様を選択する能力も必要」(高橋氏)

 現状を放置したままでは不利益を被る管理組合が増え、やがて業界への不信という形で跳ね返ってくる。高橋氏の言葉には、危機感がにじむ。

 MKSは近く、改修に必要な資質を備えた技術者を認定する、「マンション改修施工管理技術者」資格を創設する方針。並行して、国土交通省で検討が進められている、建設業法における建設業許可28業種区分の点検に関連して、「改修業種」の新設も要望している。

 同省建設業課によると、現時点では「現行の業種区分を抜本的に見直すことはしない」との結論を得ているが、「業種の統合や細分化はあり得る」として改正の可能性も示唆している。MKSでは、仮に新設されれば社会的認知度が向上するほか、工事受注に当たって改修業の許可のみを取得すればよいため、事業者側の負担軽減にもつながる、と見ている。

新築と改修 両方こなせて『優秀』

 こうした動きを、ほかの関係者はどう見ているのか。「資格制度の創設は大賛成」と話すのは、改修のコンサルティングを請け負う1級建築士事務所、マンションライフパートナーズ(東京都新宿区)の柳下雅孝代表取締役だ。事業者の資質向上を目指して足並みをそろえる、各業界団体に理解を示す。

 ただ、新築・改修で技術者の棲み分けが今後進むと仮定すると、それに対しては疑問も感じるという。「どちらにも精通している技術者こそ優秀」だという、経験に基づく実感があるからだ。また双方の技術的な交流が減ることになれば、「(技術の)進歩や改良の余地も狭まってしまうのではないか」と懸念する。

 中古流通促進の国策にも合致する大規模修繕の需要が、縮小することは当面ない。それに伴い、事業者の資質向上が急務であることも間違いなさそうだ。どのような形でそれがなされるか見守りつつ、健全な市場の発展を願いたい。 (鹿島香子)

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