「売却長期化で値下げ」鮮明 媒介契約期間 1カ月ごとの減価率大 売り出し価格・成約価格の『かい離』数値化 東京カンテイ
住宅新報 2011年11月1日 号 4面
東京カンテイ(東京都品川区)はこのほど、中古マンションの売り出し価格とその物件の成約価格との差を表す「価格かい離率」(減価率、※参照)を算出し、分析結果を発表した。中古マンションが成約するまでの期間と売り出し価格、成約価格との関連は感覚的に理解されている部分が大きく、データとしてまとめた例は初と見られる。
首都圏における価格かい離率を売却期間ごとに見ると、成約までの期間が長いほど価格かい離率が拡大、つまり値下げせざるを得ない状況がうかがえる。
専属を含む専任媒介契約の売却期限である、3カ月以内の価格かい離率は平均マイナス5.1%。ただし1カ月ごとの差が大きい。例えば2000万円の物件なら、1カ月以内は約75万円である値下げ幅が、3カ月以内に延びると約178万円になる計算だ。
このほか、成約までの期間が1カ月以内の事例が全体に占める割合は約48%で、約半数に上ることも分かった。更に、2回目の売却期限である6カ月以内になると、価格かい離率はマイナス14.3%に拡大するものの約89%の物件が成約している。このことから、相場観に基づく妥当な価格設定が売り出しの段階で行われていると言えそうだ。
01~11年 価格かい離率と売却期間の推移 近畿・中部、直近は悪化
また、01年から11年にかけての価格かい離率と売却期間の推移を見ると、3大都市圏ごとに様相が異なることが分かった。
首都圏では、01~05年における新築マンションの1戸当たり平均価格は4000万円前後、中古マンションは同2400万円前後で安定。価格かい離率もマイナス7%前後、売却期間は3カ月を下回る水準で推移していた。06年のミニバブル期以降は、価格かい離率は大幅に縮小。新築価格が上昇した一方、中古価格は引き続き大底圏で推移したことで割安感が強まり、『値引きせずとも買い手が付く』状況が続いたためと見られる。
それが、08年に入ると状況が一変。リーマン・ショックに端を発する市況悪化により、価格かい離率は一気に拡大した。売却期間も直近10年で唯一3カ月を超え、売り急ぎの傾向が如実に表れている。しかし、翌09年には価格かい離率は早くも縮小。着工減や、価格水準の高い地域に供給が限られたことで新築価格は高止まりしたが、中古は価格調整が進んだため再び割安感が増し、新築の受け皿としての需要を取り込めたことが要因と見られる。なお直近の価格かい離率は、02年と同水準にまで戻っている。
近畿圏も10年まではほぼ同じ傾向をたどっているが、直近の11年は価格かい離率がマイナス10.3%と大幅に拡大。売却期間も3カ月を超えた。背景には、先行きの見えない経済情勢に加え、中古の価格調整が遅れたため新築の受け皿になり得ていないこと、常態的な転出超過によって居住ニーズ自体が縮小していること、などが挙げられる。
中部圏でも、11年に価格かい離率がマイナス10.1%に。近畿圏とほぼ同様の要因と考えられるが、特に同圏の場合は自動車産業が東日本大震災で打撃を受けた影響が大きいと見られる。
※価格かい離率の算出式 価格かい離率=(取引価格―売り出し価格)÷売りだし価格×100%
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次週から、マンションの属性別に見た価格かい離率と売却期間の違いを掲載します。






















