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プレミアム会員限定問われる提案力 中古流通市場に変化(3) 『物件紹介業』から脱却

住宅新報 2011年7月12日 号 1面

連載: 問われる提案力

管理(賃貸・分譲)

優良ストック流通への導入

 「いかに優良なストックを生み出し、円滑に流通させていくかが中古市場での大きな課題」

 不動産流通経営協会(FRK)の朝倉卓也参事は話す。同協会が提供するFRKバリューアップモデルはその課題に対応し、魅力ある中古市場を形成するための仕掛けの1つと位置付ける。大手を中心に進められている、中古住宅流通時に付加価値を盛り込む提案。単体ではそれを実現しづらい仲介業者でも提案できるよう、導入部分を整備する狙いがある。

 「耐久性や品質が不安」「リフォーム・メンテナンス費用がわからない」--。

 FRKが08年11月に行ったアンケート調査で、「中古住宅を選択しなかった理由」として多くの住宅取得者が挙げた回答だ。バリューアップモデルが用意するのは、こうした不満を払しょくするメニューだ。

 具体的には、住宅検査保証協会やLIXILと提携。仲介業者は、売主へは耐震診断と建物検査(ホームインスペクション)の実施提案を、買主や購入検討客へはリフォーム情報の提供を円滑に行うことが出来る。

 10年5月に開始して約1年。実績は未公表だが、「徐々に増えている」(朝倉参事)という。FRKは今後も、会員会社に積極的な提案を促していく方針。加えて、「消費者動向などをよく調べ、拡充していきたい」と話す。

 また、優良ストックの更なる流通促進に向けては、「民間だけではダメ。税制優遇や補助などが絡めば一気に活性化されるのではないか」(朝倉参事)として、行政の後押しも求めている。「異業種連携」で中小に光

 中古住宅の『弱点』を異業種との連携でカバーする取り組み。その先駆けと言えるのが、中古住宅流通ネットワーク「リニュアル仲介」だ。耐震補強部材の製造・販売会社エイム(埼玉県川口市)が09年9月に発足させた。加盟する仲介業者の9割は、社員数10人以下の規模。大手の寡占市場で、活路を模索する中小業者の姿が浮かび上がる。

 同ネットワークには仲介業者のほか、金融機関や住宅性能評価機関、設計事務所などが参画し、融資から売買仲介、リフォーム、住宅履歴蓄積までをまとめて提供する。購入前のインスペクションや、瑕疵保険の付帯も組み込む。

 この2年間で、会員の仲介会社は200社にまで増えた。ただ、引き渡しまで終えた件数は約40件にとどまり、注目度のわりに実績が伸び悩んでいる状態。「成果が出ない」として、脱会する業者も10社を数えた。

 しかし西生建社長は、「焦りはまったくない」と話す。そう断言できるのは、「サービス内容が伝わりさえすれば、顧客が離れることはない」という確信があるからだ。

 「集客力があっても、成約率が1割に満たない会社も多い。それは紹介物件のみで顧客とつながっているから。希望の物件がなければ、顧客は簡単に業者を乗り換えてしまう。これに対してリニュアル仲介の武器は『仕組み』。提供していること自体がその会社にとって強みになり、顧客の囲い込みが可能になる」(西生社長)。実際、リニュアル仲介での成約率の平均は3-5割に上るという。

 今年4月には、エイムとして不動産事業部を開設すると共に、本部を西新宿へ移転した。商談スペースを広めにとり、奥には70人収容可能なセミナー室も設置。同社自らが案件を成約に導くモデルを示すほか、会員会社に本部を開放し、物件案内時に活用してもらう狙いがある。体制の刷新により、「『物件紹介業』とも言える従来のモデルから脱却し、顧客が求める安心・安全を最優先する発想への転換」(西生社長)を促す。

 (葭本隆太、鹿島香子)

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