大言小語 問われる「情報のTPO」
住宅新報 2026年9月1日 号 1面
連載: 大言小語

気候変動の影響か、災害が〝非日常〟ではなくなったと感じるようになって随分経つが、学生時代、落雷で駅に足止めされた際、終始頭上を旋回する報道ヘリの爆音が、今も耳に残っている。阪神・淡路大震災では、被災地の惨状の横で「東京でも気を付けるべき」とのニュースを目にして以来、しばらく報道番組はもちろん情報番組を可能な限り避けていた。被災地とそれ以外の場所では、情報のニーズが決定的に異なる。発信側が「情報のTPO」を誤れば、「不要な情報」では済まなくなる可能性も皆無ではないだろう。
▼災害が日常化した今、遠くから眺める情報ではなく、すぐにでも役立てられるミクロな情報への感度の必要性は、更に高まっているだろう。一方で、かつて感じた情報のミスマッチに対し、近年は変化の兆しもある。熊本地震の直後、避難所での注意点やあると良いものなどを具体的に伝える動画がSNSのタイムラインを駆け巡った。当事者の命や暮らしに寄り添う情報を届けようとする動きもまた、確実に活発になっている。













