利上げ交渉、問われる顧客との関係性 【実像】金利正常化「前夜」(下)
「預けるときも借りるときも低金利」という国内金融の世界観が転換しつつある。金利上昇は金融機関にとって長期的に収益メリットが大きい。一方、提供サービスの差別化などが進んでいない先にとっては、高金利預金の提示による顧客つなぎ留めなど資金調達コストの意図せぬ増加になりかねない。貸し出しでも条件更改のタイミングで、先々の金利情勢を見据えた難度の高い「利上げ交渉」が営業現場で待ち構える。経験の乏しい金利の上がる時代を意識した「行動」に本腰を入れる場面に差し掛かった。
「価格」が映す〝横並び〟
日本の金融業を象徴する統計データがある。振込手数料に代表される国内の金融サービス価格だ。他の先進国に比べ横ばい傾向が際立つ。米国の同価格は、この20年で2倍になった。欧州も足元のインフレ局面で前年比5%前後の上昇が続く。日本でも、値上げに慎重だった業種や企業を含め、価格転嫁の波が強まる。
























