開眼 インフレ抑制の道のり

市場経済において、経済や物価、金融にまつわる変数は、常に変動している。こうした変動は、時系列的には“トレンド周りの変動”として表され、変数がトレンドから乖離(かいり)しても、そこに戻る力が働くと期待される。
もっとも、負のショックが発生して、トレンドに戻る力が働く前に、変数間に相互連関の力が働いて、リーマンショックのように大きな振幅となってしまうことがある。そのような事態を防ぐには、市場経済に対する何らかの介入が必要で、それを先手を取って行うことがマクロ経済政策の真骨頂である。
ただ、先進国では、「危機を未然に防ぐ」という政策対応の本来の目的が忘れ去られて久しい。政策対応を繰り返してきた結果、経済のダイナミズムが失われ、トレンドに戻る力が働きづらくなっている。変動が大きな振幅に至ることを回避するため、さらなる政策対応を行うという悪循環に入る中で、政府債務残高が積み上がり、中銀のバランスシートは大きく拡大してきた。























