農林中金、融資する風力発電の影響評価 自然資本保全へ

農林中央金庫は、自然資本・生物多様性保全への取り組みを推進していく。2022年度における同金庫ポートフォリオの自然への依存・インパクト調査を踏まえ、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が提唱する「LEAPアプローチ」を実施。洋上風力発電へのプロジェクトファイナンスを対象に自然関連リスクと機会を評価し、3月下旬に一連の分析結果を公表した。23年度以降は、ポートフォリオ分析高度化や顧客へのソリューション提供を進める方針。
依存・インパクトは、企業の事業活動が自然資本に与える機会やリスクを金融機関などが評価するツール「ENCORE」などを活用して調べた。「食品・飲料」や「電力・ガス・水道」など広範なセクターが水資源に依存。「電力・ガス・水道」など4セクターが自然資本・生物多様性に大きなインパクトを与えていることが判明した。
こうした結果を踏まえ、アプローチにおける4フェイズ、Locate(発見)・Evaluate(診断)・Assess(評価)・Prepare(準備)の頭文字を取ったLEAPアプローチを洋上風力発電へのプロジェクトファイナンスを対象に実施。エクスポージャーを有する洋上風力発電の位置情報と自然保護区をマッピングして分析し、同金庫の投融資方針などは環境アセスメントが十分行われていると評価した。
今後は、さらにセクターを細分化するなどポートフォリオ分析を高度化する。9月のTNFDによる情報開示の枠組み公表に向けて相談が増えているため、開示を見据えたリスク・機会分析の支援に着手することも検討。例えば、取引先に対して、自社商品が環境に与える影響を測定する技術を持った企業を紹介するなどのサポート策を想定している。
農林中金は、自然資本への依存が高い農林水産業に立脚する金融機関として率先して自然資本・生物多様性保全への取り組みを推進。22年11月に、エグゼクティブアドバイザーの秀島弘高氏が国内2人目となるTNFDのタスクフォースメンバーに選出された。23年2月には三井住友フィナンシャルグループなど金融大手3社と、事業活動を通じて自然資本の回復に努めるネイチャーポジティブ転換を企業に促進・支援するアライアンスを立ち上げるなど存在感を示している。
(配信元)ニッキンONLINE























